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>>133

【アネル＝ハーバルト】

「まあ、それもそうですけど。あれじゃ死に急いでいるようなものですよ。全く上の奴らは仲間を何と思っているんでしょうね。あ、そうその副団長さんどうにかできませんか？此処のところよく見かけるんですけど」

仲間でもない、知り合いでもない奴の心配をしている自分に思わず驚いてしまった。しかも、敵にだ。まさか人間に情でも移ったのだろうか。

彼女からの口から副団長という名前がでた瞬間アネルは明らかに嫌そうな表情を浮かべた。さして、彼女が強くて敵わないと言うことではない。自分自身其所まで弱いつもりもないし仮にサーカス団の団長なのだ。唯、厄介ということを除いては。彼女にこれ以上嗅ぎ廻られると厄介な事になりかねない。と言うかなるに違いない。
その事も含めた上で彼女に呟いた次第であった。


「そうですか。その返答を聞いて少し安心しましたよ。返答次第ではどうしようか迷いましたけれど。まあ、仮にそうなった時は僕が貴女を守りますよ。契約した身ですし約束ごとは守りますので。でも、主は強いですから僕の手助け何ていらないかもですけどね」

目を細め、ふふっと笑みを洩らせば軽くポンポンとリズムよく李緒の頭を撫でる。いくら、暇つぶしで契約したとは言え彼女を守るのが自分の役目である。たとえ、仲間と戦うことになったとしても其は同じだ。その為の契約で有るのだから。