二次なりきり掲示板

Re: 【中文】不思議なサーカス団【募集中】 ( No.142 )
日時: 2016/08/16 13:05
名前: 二毛猫桜 (ID: G.M/JC7u)
参照: http://キャラクター使いまわし野郎

>>138

【帝狩筝鍵】

(やべぇもうこのお嬢ちゃんの沸点判んねぇ! つか怖い! なんでこんな真夜中に剣なんざ持ち歩いてんだよ!)
 こちらを警戒していることが態度からも言葉からもわかりきっているような様子で、しかも筝鍵からは詳しくは見えないがあの手つき構えはどう考えても剣帯に意識が行っている。一日の業務を終えて日課の一服に来ただけなのに、夜道でばったり会った顔を隠した女の子に切って捨てられそうとは何という名前の不幸だろうか。正直勘弁してほしい。こちとら丸腰である。
 最悪煙に巻いたうえで逃げてやろうかと考えていたら、続いてさらに糾弾されたので逃げの一手は後に追いやった。なんだこの子は。筝鍵としてはそんなにヘイトを稼いだつもりはないが、ここまで嫌われているようならもうこれは仕方がない。挑発されていても特に筝鍵から搾取できる情報など限られているので、余程のへまをしない限り団長に怒られることもあるまい。
「莫迦とは簡単に言うけどな、お嬢ちゃん。オレはサーカス団が開演している昼の間は着飾って手品師をやっている。大して大きな演目ってわけじゃあないが、特にマスクも被ってないからオレの顔を見てオレがサーカス団の一員って判断するのは難しい事じゃねぇだろ。ま、最初はお嬢ちゃんが不審過ぎて煽ったことは認めるがな」
 いやあ、妙な真似はするもんじゃねぇと苦笑して後ろ髪をがしがしとひっかく。ついでに携帯していた小さな灰入れに煙管の中身を落とし、きいんっと硬い音を立てた。
「それから、オレ=サーカス団員ってのは今認めたとおりだが、そんな情報を警察に流されたところで、オレは勿論だが若しサーカス団が人さらいをやっていたとしても痛くも痒くもねぇだろうな。オレが実行犯でお縄になったわけでもねぇし、オレがそうだと供述したわけでもねぇ。オレがサーカス団員だとわかったからと言って『だから何だ』。なぁんか心配してくれているようだが、先生はそんなに莫迦じゃねぇから心配すんな」
 かははと笑って空になった煙管をくるりと弄ぶ。伊達に君の数十倍は生きていないと、言いそうになって辞めた。どうもこの女の子とは話していて飽きない。彼女にいらない不信感や恐怖を与えるのも偲びないし、悪戯にそんなことをして彼女に剣を抜かれても困る。何より、
(そういう目で見られるのはもう御免だしなぁ)
 妙な生き方をしてきた自分とは違って、この町に生きているのは真っ当に人間なのだから、きっといつかに必然としてそうなるのだろうが。なってしまうのだろうが。——若し近い未来、人間ではないと露見した後に、彼女はどうするだろうか。このあからさまな警戒心に任せて剣を抜くだろうか。
 そうなる前にサーカス団がこの町を出発すればいいと今思った。そうしてまた苦笑し、思考の奥の寂しさに蓋をする。
「おいおい、未成年がこんな時間に一人で出歩くなよ。お仲間とかお友達とかいねぇの? 若しかして一人寂しい人?」
 よしよしと身を乗り出して手を伸ばし、いつも子供たちにそうするように頭を撫でる。しかし未成年か、と至極残念そうにため息を吐いた。
「うーん。先生別にお嬢ちゃんをどうこうしようとは思ってないんだけどな。ちょーっと仲良くなりてぇだけだよ? 下心はそんなにないかなぁ。あ、酌の仕方判る?」
 未だ信用はされていないがそんなことはすべて無視してまた質問を追加する。もうこの際一人酒でなければと、ハードルを著しく下げた。