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>>59

【小毬】

なんとなく。こういうときはちゃんとした理由を答えるべきなのだと思っていたけれど、そういう答えもありなのか。小毬はまだ、人としての力が少なすぎる。もっと勉強しなければ、きっと仲間にも迷惑をかけてしまうだろう。いっぱいお世話になった人に迷惑をかけるのは、教えてもらったことはないけれど、たぶんダメなこと。
でも、今ダメなのは。

「なんとなくでもなんでもサボりはダメ！小毬もサボりだからダメだけどアネルもダメなの！」

腕を引っ張っても意味がない。うー、と唸りながらあんまり優秀じゃない頭をぐるぐるかき混ぜる。力を入れてもびくともしないのは、小毬が小さいからだ。なら大きくなればいい。

「えっとぉ……ちょっと待っててねー！」

きょろきょろ周りを見渡して、ちょうどいい人のいなさそうな路地裏を見つける。アネルに一声かけてからそこに入っていく。