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>>21

【アーロン=クリストファー】

声が聞こえ体を起こし辺りを見渡すが、人影らしき姿は捉えることが出来ない。なんだ勘違いかと思いまた同じ体制に戻ろうとしたが視線の端に今度こそ人影を捉えた。その姿は遠くてよく判別することが出来ない。だがこんな遅くに何のようだろうか。何か用事がない限り人でも入らないと言うのに。

相手の質問に答える幎なのか暫し悩んでいた。別に自分の名前を応えても不利益にはないだろうと思ったものの普通に答えるのでは面白くない。そう、今は面白さに飢えているのだ。此処で一つやってみるのも手か其所まで考えて口を開いた。

「嗚呼、答えてやってもいいけど普通なら聞いた方から名乗るべきじゃないのか。其くらいの常識は持っているだろう」

相手との距離が遠いこともあり、少し大きな声で返答を返した。返した後に少し冷たかったかなとほんの少しだけ後悔したが、もうこの性格で通している事もあり言い方を直そうともしなかった。別に冷たいと思われても構わない。と自己完結すれば相手が何と返答してくるのかワクワクしながら待った。