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>>27


【アーロン＝クリストファー】


「嗚呼、よろしく…」

相手の言動に一瞬だけ固まったが少し間を置いてから口をゆっくりと開く。呟いてみたものの仲良くするつもりは彼には最初からなかった。ただ礼儀として返しただけに過ぎないのだから。

「それも一理あるな。でも、これから動くのも面倒だし、動くつもりもない。間違ったことは言ってないがいちいち癪に触るなお前」

彼女の言うことは確かにその通りだと思う。確かに暇つぶしするだけなら此処じゃなくても幾らでもある。でも自分自身この場所が気に入っているのだ。だから、何を言われようと動くつもりなんてない毛頭ない。此処から移動するのがめんどくさいと言う理由も少しはあるが。



先程から一々癪に触る相手にイライラをしつつも落ち着かせるために深呼吸をする。そして視線を彼女に移すと月を見上げる彼女が視界に映った。不意に綺麗、なんて思ってしまったが気が迷っているだけだと自分に言い聞かせすぐに視線を外した。