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月無様
>>26

長月「この世に未練がないということか、人間というよりも人形の様だな」

聞きようによっては、死を望んでいるようにも聞こえるが。
生憎、殺して欲しいという願いを聞くつもりは無い。

抵抗しない相手を殺したって、味気ないしな。
それに——

「お前の血は薄い。他の人間の数倍は味気がない……つまり、不味いってことだ」

恐らく、コイツに生へ執着がないの原因だろう。

「だから、殺されたきゃ美味い血になれ」

俺は、人間相手に何を喋ってるんだろうか。
血が飲めればそれでよかったはずなのに。

「美味い血になれば、死でも眷属にでも、お前の望むようにしてやるよ」

こんなのは、ただの気まぐれだ。
コイツが少し変わってるから、からかってやるつもりなだけの。

そんな事を思いながら、口元についた血を腕で拭った。