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>>25
【はい、ありがとうございます】

肌寒さを感じる。寒空の下にドレスで出てきてしまったから？
………違う。眼の前に居る大人に、邪気を感じたから。

「………？」

私……愛菜は、目の前の光景に納得できずに首を傾げてしまう。

大量に人が倒れてる。救急車を呼ばないと。1人だけ大人みたいな人がいるけど、血で真っ赤だな。ちゃんと落としてあげないと。
愛菜に、何が出来るのかな……あれ、愛菜、どうして生きてるんだっけ？

愛菜は悲惨な光景を目にし、自分が記憶喪失だったのを思い出した。そう、これは義父に連れてこられた舞踏会のある館の庭。
愛菜は、来たくもない舞踏会に無理やり出されたんだ。

「あの、貴方は何をしているんです？」

その質問は、愛菜の口から勝手に出た。