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>>10
なるほど、それで合点が行きました。自分で運命を切り開いたサンドリヨンさんかっこいい…！

是非質問させていただきたいです。中文ありがとうございます、よろしくお願いしますっ

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築城　仕佐/城 廊下



ひんやりと涼しい城内の廊下に、はあーっ、と繰り返し吐き出されるかすかな呼吸音が空気を震わせた。誰も触りたくないような脂ぎった黒い髪の毛を小太りの少年は掻いてよいしょ、と大きい箱を持ち上げた。象との徒競走にも勝てないほどにずしりとその一歩は重い。小学校の制服という一張羅を洗うことすらしたことの無い少年が、今城中の半分の洗濯物を充血して赤くなった手のひらで支えながら懸命にX脚を動かしている。その顔は暗がり特有の影が落ち、早くも疲れが見え始めている。

「あー、疲れた。お腹すいたなあ。この廊下、どこまで続くんだろう」

普段から重いものを持つ経験が少ない築城には少し荷が重過ぎたようだ。堪えかねて重荷を下に下ろし、腰を折って肩でぜいぜいと息をする。なぜ自分はこんなところにいるのだろう。ここに置いてもらおうと自分で願ったことなのに、築城にしんどさは尽きない。休んでいると、体の力が抜けていく。サンドリヨンさんは楽々と慣れた様子で向こうへ行ってしまった。一体どこからそんな力が沸いて来るか不思議なのだが。ぐるりと周りを見渡す。このまままっすぐ行けば裏庭だろうか、道に迷ってしまったのかもしれない。通りがかりの人に聞こうとしてやめる。タージエンの人の子という素性がばれるのは嫌だ。いっそのこともうずっとこのまま何もしないでいようかとぐじぐじ思いながらも箱に手をかけ、持ち上げた。とにもかくにも、前に進まないことには始まらない。