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>>213（おおぅ…ものすごくなっがく…(;´・ω・)）
会場を出ても早まった鼓動はもとには戻らなかった。
なんなんだ、この感じは。二人を目の当たりにした時からだったか、それともHAYATOのあの笑顔を見た時だっただろうか。
動機に近いものを感じる。少し息が苦しい。赤面した顔も火照ったまま元に戻らない。
なによりもあのふにゃりとはにかんだHAYATOの顔が目に焼き付けられて、離れない。

「いやいや着いて来たって割には大満足、って雰囲気ね」
会場の出口から少し離れて待っていた姉がニヤニヤしながらこちらに向かってくる。
「ははっ、これはやばいかもなぁ〜、って思ってたとこだわ」
苦笑交じりに言葉を返す。男性アイドルグループに男のファン、というのはやはりかなりレアだろう。なかなかに公言しにくいところがある。
だが、同時に自分がラッキーなポジションにあることにも気づく。男性ファンはレア、つまり単純に印象に残りやすいのだ。このポジションも十分に利用してやろうと思った。
「ねぇ、良かったら出待ちやってみない?」
不意に姉から言葉を投げかけられる。出待ち、というとことはもう一度あの二人に会えるかもしれないのだ。断る理由がない。2つ返事で了承した。

会場の裏口あたりには姉と崚だけでなく他のファンもいる。
そういえばアイドルによっては出待ちを好まない人もいると聞いたが…。出待ちなんかしてて大丈夫なのかな、俺ら…。