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【畏まりました、お待ちしております】

【水戸 雫/城下町近くの原っぱ】

「失礼ね、貴方の言ったことは何でも覚えてるってだけよ？んー、確かめても分かりそうにないからやめておくわ。……なーんだ、ちゃんと覚えてるんじゃないの、少しだけ安心したわ。でも遠ざけるのはどうなのかしら。私としては友好的な関係を築きたかったのだけど？」

投げつけられた手鏡をキャッチすれば、少し悩むように唸ったあと首を横に振る。というか女子力が高くはないだろうかと、そんなどうでもいいことを考えれば、ぺたりとその場に女の子座りをして。

「あら、契約していたことは認めるのね。……だって私とあの子は“オトモダチ”ですもの。知っていても可笑しくはないでしょう？後は何で契約していたことを知っていたのか、だったわよね。その説明はしにくいのだけれど……私の能力とでも言っておきましょうか。」

一瞬だけ目を伏せるも、すぐにクスクスと笑えば相手の問い全てにきちんと答える。ゆるりと細められた瞳の奥に浮かぶ感情は不明だ。けれどどうせ大したものではないのだろう、彼女の行動や感情に大それた何かがある時は数少ない。