ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作小説、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

>>168


黒雷を纏った拳は、まさに『一撃必殺』と言わんばかりの威力を誇るだろう。目の前の怪物はその見た目とは裏腹な速度で戌神の背後に現れ、その一撃を至近距離で放った。

先ほど戌神の放った一撃より重く、忌々しい一撃はまるでボウリングのピンの様に戌神の身体を浮かし、館の壁へと吹き飛ばした。


戌神「…元気と威勢が良いのは構わないが、知能指数は畜生並みか？」


が、戌神はその場に瓦礫をどかして、立ち上がる。
彼女は口から血で出来た唾を吐く。その事から確かに『ダメージ』を追っている事は分かった。が、致命傷どころか、彼女にとっては掠り傷に等しい物でしかなかったのだ。


戌神「言っただろう。”お前の様な修羅相手に一撃でやられるようでは、金剛力士は務まらない”と。今のが本気の一撃なら、お前はその程度と言う事になる。目の前に居る、”人”の形をした血と肉と糞尿の詰め合わせを殺す事も出来ない程度の実力、と言った所か。お前に感情があり、もし今私に対して怒りを抱いているのなら、”もっと本気”で掛かって来い。」


戌神が此処まで話す事、それは彼女が完全に戦闘体制に入った事を表す。

突如戌神が地面に手を付いて、何かを唱え始める。


戌神「…双符『阿吽の番人』…」

唱え終わった後に、戌神はその場に先ほどと同じように構えた後、腕に自らの魔力を溜めた光輝く一撃を地面に向けて繰り出す。それと同時に、地面から行き場の無い魔力が瓦礫と共に噴出し、目の前の異形の怪物に襲い掛からんと迫った。