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Re: 【指名制恋愛】10月の神隠し【中文推薦/NL.BL 】 ( No.61 )
日時: 2015/02/15 14:50
名前: ぷーちぃ (ID: z18hpbrC)


>>58

 ここまでしてもジャックはまだ真実を告げることを迷っているようだった。頷きこそすれ、やはり憚られるようなことなのだろう。
 ジャックは自分よりも背丈があるため自然と上目遣いになってしまう。そうして見上げたジャックの顔はとても苦しげだった。内に秘めた何かが大きすぎて今にも溢れてしまいそうで、とてもじゃないが見ていられないと思った。どうにかしてやりたいとも思う。誘拐されて来たとはいえ、数週間を共にした仲だ。見過ごせるほど私も冷酷な人間じゃない。

「 (まあ、そんな顔させてる一番の原因は私っていうんだから、皮肉なもんだよね) 」

 自嘲めいた笑いが溢れた。本当に、ままならないよなぁ。


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 説明を全て聞き終えて思う事は「 え、ゲームの設定か何かですか? 」なんていう他人事のようなもので。ほら、良くあるじゃない。「 あなたは異世界を救う勇者に選ばれました! どうか私達の世界を救って下さい! 」って、トリップ系のRPGじゃ決まり文句みたいなもの。
 自分でも他人事みたいだと思うけれど、だってだって、信じられない。胸の中で脈打っているはずの心臓が別の場所にあるなんて。ならなんで私は生きていられるのかという話になる。まあ、そこら辺はこれまたゲームでありがちな”ご都合主義”というやつで済まされる問題なんだろうけど。

 理解できたか、と宥めるような口調で尋ねてくるジャックに何とか絞り出した声で「 た、多分理解はできたよ。…受け入れられるかは、また別問題だけど…… 」と返す。覚悟して聞けばどんな事だって理解することはできる。まだどこか他人事のように考える自分がいるのは否めないが、まあとりあえず、おかえり冷静な私。

「 …あー、もう、そんな顔しないでよ。要はそのどこにあるかわからない心臓を見つければいいんでしょ? 確かに途方もなさそうな面倒くさい話だけどさ、だからってそんな暗い顔しなくてもいいって 」

 出来る限りの言葉で慰めた、……結果がこれだ。
 人に好かれようとは思わないから好かれるための方法を知らない。相手を楽しませる言葉なんて知らない、だから、慰め方なんてもっとわからない。そんな私が一丁前に他人を慰めようなんてこと自体が間違っていたかもしれない。でも、放っておく事もできなくて。
 自己満足のために中途半端に目をかけて、面倒くさくなったら捨てる? 確かに面倒くさいのは嫌いだけど、中途半端はもっと嫌い。やらないならやらない、やるなら最後まで、白か黒かはっきりと。それは何に対しても誰に対しても同じだ。…とは、思うものの。

「 …ま、まあ、そういうことで、背負い込みすぎなくていいんだよあんたは。そもそも何がそんなに引っかかるの? …あ、本当は私が好きで帰って欲しくないとか? ……な、なーんて! うそ、うそだよ? 冗談だから、言ってみただけ! 」

 普段しないことをするというのは何とも恥ずかしい。つい誤摩化しの言葉をつらつらと並べてしまった。そして見事に自問自答。空回り。もっと恥ずかしくなったんじゃんか馬鹿野郎。
 心無しか耳が熱いけれどきっと気のせい。それか恥ずかしいからだ、ウン。きっとそう…!


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 【 なんかめっちゃ乙女乙女した子になった参りましたーッ。この子誰なんでしょう(´・ω・`) 恋愛スレなんだからもうちょっと甘くしてもいいよねとか思ったらこのザマです。お好きなように調理してください… 】