二次なりきり掲示板

Re: 【指名制恋愛】10月の神隠し【中文推薦/NL.BL 】 ( No.69 )
日時: 2015/02/18 23:50
名前: ぷーちぃ (ID: z18hpbrC)

>>64

 取り戻したと思っていた冷静さは仮初めだったらしい。少なくとも、私らしくない言動をした挙げ句に自滅するくらいには。…穴があったら入ってそのまま出てきたくない気分だ。
 耳の先まで顔を真っ赤に染め上げて、一体なんて返されるのだろうかと内心では冷や汗をかきながら身構えて。——そして、撃沈。

『 …せやな、トーエが好き‥かもしれへんわ、自分 』
「 …っぅえ!? 」

 1HIT!! 未だ混乱したままのトーエを言葉の矢が突き刺す。
 『 …背負い込み過ぎやない、背負わなきゃならへんのや…何が引っ掛かる…か、何もかもや…な 』と、ゲームでいうならキーセンテンスに当たりそうな重要っぽい台詞も今は耳に届かない。いや、届いているけど思考が追いついていない。キャパシティーオーバー寸前である。顔は茹で蛸か、まるで熟れたトマトのように紅潮していて頭からは蒸気でも出そうな勢いだ。
 そしてそこにトドメの一撃。急にジャックの顔が近づいたと思えば額に一瞬の柔らかい感触。ぴしりと身体の固まる錯覚を覚えたが小さなリップ音がすぐに現実へと引き戻した。

「 ——ッ!!? …い、いま、あんた…………!! 」

 堪え難い何かによって唇がわなわなと震え上手く言葉を発する言葉できない。う、とかあ、とか言葉に詰まっている間にジャックは歩を進めてしまう。
 あ、ちょっと待ちなさいよ!!……と、せめてここで強気に言ってやれれば少しは持ちなおしたであろう自尊心。けれど、そんな事をさせてくれる余裕は最後の最後まで与えてはくれなかった。去り際に見せた何気ない彼の笑顔は、けれど今までのどんな笑みよりも輝いて見えて。周りがスローモーションか、いっそ時が止まったようにも見えた視界の中で輝きを放つ彼の笑顔に見惚れずにはいられなかった。
 すとん、と力なくその場にへたりこむ。

「 ……もう、意味解んない…… 」

 自分のことなのに私が一番が解らないなんてこと、今までなかったはずなのに。


 ———


 ここまで来るのに随分時間がかかったような気がする。今度こそちゃんと念入りに心を落ち着かせて、やっと辿り着いたリビング前。ちらりと覗けば、当然の事ながらそこにはノーズと、私が情けなくなっている間に戻ったらしいアルビス、そしてジャックが揃っていた。テーブルにはあの長ったらしい横文字の料理——色々、本当に色々あったので頭文字すら覚えていない——が並べられていて、ふわりと薫る香ばしい匂いは鼻孔をくすぐった。……そういえば、起きてから何も食べてないんだった。お腹の中が空っぽだ。

 今日一度も会っていなかったノーズに「 おはよ 」とだけ言って席につく。手を合わせて、いただきます。早速メインディッシュに手をつける。何かの肉に何かのソース……、見た目からしてフランス料理だろうか。なんて適当な考察を立てながら静かに、だがしっかりと胃の中に収めていく。美味しい、ノーズはまた腕を上げたんだ。


 ———

 一言も話すことなく食事を終える。お腹が空いていたからというのもあるが、基本食事中は無駄話はしない主義なのだ。
 自分の食べた分の皿を流しに持っていき、一息つく。今日のこれからの予定は特に無し。いつもなら自室に戻りだらだら過ごすのがお決まりのパターン。しかし先程のような事があった手前、いつも通りを続けられるほど神経は図太くなかった。
 とりあえず、さっきジャックが言っていた私の心臓について知りたい。そう思いジャックに視線を向けるもまだ燻っている羞恥心のようなものが邪魔をして、話しかけようにも話しかけられない。そんな焦れったい状況に陥った。



【 予想以上にヘタレな子みたいになったので食事後からはキャラを保ちつつ甘くできるように頑張ります! 確定ロルあり、とのことなので使ってみました。その結果食事シーンをばっさり切ってしまいました( 特に話すこともないかなぁ、と思ったのですが何か不都合があれば主様の方でちょちょっと変えといてください( 】