二次なりきり掲示板

Re: 【指名制恋愛】10月の神隠し【中文推薦/NL.BL 】 ( No.79 )
日時: 2015/02/26 23:24
名前: ぷーちぃ (ID: MeGdyxZe)

>>74


 話しかけようか、話しかけまいか。中々踏ん切りがつかずふよふよと視線を泳がせていると、ふいに聞こえたジャックの声にびくりと身体が跳ねた。まさか向こうから話しかけてくるとは思わなかったのだ。

『 何や?トーエ、さっきの行為お気に召したんか? 』
「 ——ッ。……っべつに。そんなわけじゃないでしょ。自惚れないで 」

 …危なかった。もう少しでまたペースを乱されるところだった。なんだってコイツはこうも私のペースを崩すのが上手いかな…、と思いつつ言葉は至って平静を保っている。自分の矜持を守るための意地が発揮された瞬間だった。
 元いた世界ではもっぱら振り回されるより振り回す側、自分の世界に閉じこもっているような奴だったからこういうタイプには正直耐性がない。さっきからペースを崩されてばかりで、自分が自分じゃないみたいで恐怖すら感じる。…絶対に言わないけど。
 ジャックはといえば席を立ち、アルビスの食器を魔法で流しへ運んでいた。ふよふよ、ふよふよ。いつ見ても不思議な光景だ。元いた世界では魔法なんて本や漫画の中だけのものだったから。食器を運び終えたジャックはおもむろにこちらに近づく。

( な、なに……? )

 思わず身構えたものの、優しい感触が額に伝わっただけだった。冗談だ、とジャックは笑った。警戒して損した…と小さくため息をついたのも束の間、耳打ちされた内容に顔を顰めて。

「 ……私の心臓がどこにあるか、あんたは知ってるの? もし知っているなら教えて。…自分の心臓がないなんて、そんな事言われたらちょっと落ち着かないし 」

 教えてくれたら後は自分でなんとかするから、と付け足し、淡々とした口調で言った。言われるまで気づかなかった、けれどいざ指摘されると確かに物足りない。放っておくには大きすぎる穴なのだ、己の心臓がないというのは。



———


【 めっちゃ返信遅れました、すみません…!
  いつまでも引きこもりでいるわけにはいきませんし、そろそろトーエには初めてのおつかい(笑)にでも行ってもらおうと思います。
  ガラクタの存在すら知らないトーエに道中でガラクタ遭遇イベントとか…! 】