二次なりきり掲示板

Re: 【オリジナル】背負うは世界、対するは異人【募集中】 ( No.12 )
日時: 2017/11/07 20:15
名前: 秋桜花 (ID: GfAStKpr)

【絡んでもいいですかー?】

>>11
 エヴァンス・オーヴァート】


 ——人は、自分たちとは違う存在を、異端と呼ぶ——。

「……下らない」

 彼はそう、小さく吐き捨てた。
 漆黒の髪に藍色の瞳、漆黒のマントをはおり、漆黒の指貫グローブと同色のブーツを身につけた彼の名を、エヴァンス・オーヴァートという。知る人ぞ知る死霊使いであり、異端と蔑まれ、「化け物」と呼ばれた過去を持つ。

「異端であることの何が悪い? それでもオレは、オレたちは」

 生きているんだから。
 呟いて、彼は不思議な世界を仰ぎ見る。
 不気味としか言いようがないその世界。どこまでも何もなくて、それでいて大地を踏みしめているという感覚があるのだから不思議を通り越して不気味でさえあった。
 彼はかつて自分のいた世界に思いを馳せる。
 魔法のある世界。言葉をつなぎ合わせて呪文とし、それを唱えて魔法とする世界。空と大地と海があって、様々な国がそれぞれの目的のために争っていた。無論、単なる一般人の枠から出ない彼には、争いのことなんてわからないけれど。
 彼は、思う。
 かつて「あの世界」で行われていたのが国取り合戦ならば、今「この世界」で行われているのは、その規模を大きくしたものだろうか、と。
 原理は同じだ。互いが生き残るために戦う、ただそれだけ。賭けるのが国ではなくて、世界に変わっただけだ。
 彼自身「あの世界」に特にこれといった愛着は無いけれど、それでも戦うのならば最後まで戦い抜きたいと思うだけの気概はある。そこまで諦めきってはいない。心は枯れてしまっても、燃え続ける思いがあった。

 それは、怒り。それは、決意。

 前者は身勝手な神々への、後者は世界を背負って立つ自分への、重い思い。
 だから、彼は戦うのだ。たとえ故郷の誰もが彼を見捨てても。
 両の手を横に振れば、しかと現れる銀色の双剣。

「戦える」

 励ますように自分に言って、彼は得体の知れぬ世界を歩きだす。
 そこで、明るい印象の少女に出会った。
 場違いな空気、優しい雰囲気。
 思わず、彼はそっと声をかけた。

「おい、危ないぜ? 今は戦時中だってわかっているのか?」


【宣言通りに長くなりましたm(_ _)m】