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桜花「…そう、ですか？」

大丈夫と言いつつどうにもそうは見えない様子の相手を見かねさてどうしたものかと考える。
このままでは任務にさし障るのではないか、自分のせいで。
それはごめんだ。
父が、母が、姉様と慕った父の部下がどうしてくれていたのかを思い出す。
「よっ、と」
フェンリルの体勢を崩すつもりで彼の手を引く。
人の体温と心拍は人を落ち着けるのに良いとは言うがそれをするには自分はいささか小柄なのが気にくわないがとりあえず転ばそうとした相手を受け止められるように手を放す