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桜花「まさか」

どうして？と言いたげな声で否定する。

「確かにあー言ったのは先輩ですけど、それでも捨てられないならそれは必要だからじゃないんですか？」

例えそれが傷だったとしても。

「矛盾したこと言いますけど傷なのに、痛いのに、厄介なことに生きるのに必要な傷もあるんです」

さらに、ひどく優しいこえで続ける

「だからきっと、先輩のそれはきっとまだ捨てちゃうには早いんです。…見損なうどころか寧ろちょっと羨ましいです」

言ってから不謹慎だったかな、と思うが実際他者ひとを想って取り乱すことが出来る自信はないので仕方がないかもしれない、と思うことにした。