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>>167
ヴェルトロ「こちら『ヴェルトロ』。指定の位置に到着。作戦を開始する」
その声を合図に、他の隊員達がヘリのドアを開けロープを下ろし次々とロープを伝い屋上に降下する
幸い、完全な奇襲だったのか敵兵士の姿は屋上には見当たらず来る気配も感じない

フェンリル「…生還しろよ。初任務で殉職など笑い話にもならんからな」
心配そうに眉をひそめながら言う。…恐らく、彼の本心からの言葉なのだろうか



>>168
スコル「そうは言ってもだな…」
あたかも『そこまで食いついてくるとは…』と言いたげに悩む素振りをしながらも、右手で隠した口元は歪な弧を描いているのは自分にも分かっていた
さて、どうする？今此処で言ってしまおうか？
『お前の愛おしい人は死んだ』と
『巨大な爪で腹を裂かれ、臓物をスープの様にずると飲み干された』と
ああ、もう駄目だ。頭の奥がきりきりと痛む。
彼女が絶望し、あの暗い瞳から更に光が消える姿を想像するだけでゾクゾクとした背徳感が背筋を襲う