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　>>30

　ふと、何処か遠くを見つめる。草原の彼方に在る森。その方面から空気の変化を感じられた。

オンルッカー「……時空は再び乱れ、新たな来訪者がやって来たか。あー……随分と運悪い所だな」

　新たな空気と共に混じる、何かが焼けた様な臭いと鉄臭い血の気配。伴うのは全く知らない魔力の塊と、美しくも黒く、おぞましい何か。恐らく時空を乱して破壊を行う者だろう。感じた事の無い物に、傍観者の顔が少し綻ぶ。

オンルッカー「なーんか面白そうだなぁ?ごめんね、ちょっと行きたい所が出来た」

　クリミナルに一言謝ると、気配の先へと飛ぶように向かっていく。

オンルッカー「死なれちゃ、困るんだよね」

　嫌な予想を消す様にポツリと呟いた声は、風に拐われて消えていった。自然に向かう足が速まった事に、傍観者は気付かない。