ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作小説、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

パチュリー
「……これは……受けておくしか無いわね……」

パチュリーは右手を挙げて自身の周囲に五重の防御結界を即座に展開して周囲の闇を介して放たれた赤黒い炎弾と桜形の魔弾による弾幕を受けつつ、喘息の再発しつつある今でも充分な威力で、かつ現状を打開するスペルは無いかと視線を机に落とすと、最適の一枚を見つけ、それを手にスペルの宣言を行おうとした次の瞬間。



【運命「ミゼラブルフェイト」】
《ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｯ》

大図書館の出入口である扉の向こうから、膨大な紅き魔力により形成された先端に矢を備えた長大な真紅の鎖が無数に伸び、それぞれが意思を持った紅い龍のように空中を動き回るようにして放たれる。

大図書館を目にも止まらぬ速さで縦横無尽に駆け回り、サクリーナ達の展開した闇やウジャト眼、赤黒い炎弾を貫き、打ち消しながらも、図書館に広がる無数の本棚や、積み重なった書物には一切攻撃が当たらないようにしてあり、恐ろしいほどの精度を兼ね備えている事がわかる。



レミリア
「……まったく……美鈴や咲夜は何をしているのかしら？」

紅き鎖の放たれた大図書館の出入口前に一匹一匹か並の妖怪を上回る力を持った蝙蝠が無数に集まり、その蝙蝠達が融合すると、この館の主であるレミリアがその姿を現し、美鈴や咲夜と言った普段はこのような自体には一番に対応に向かう筈の者達がまるで動いていなかった事を嘆くように言葉を呟く。

【>>126】

サクリーナ「…………！？ついに来た……紅魔館の主・レミリア・スカーレットさん！」

闘いに終わりが見えてきた頃、本来の目的であると言えるレミリアさんがやってきた。

これは構えるべきか、諦めるべきか。だが、100%の力を解放できない身では、勝つことは難しいと思う。
流星「…………レミリアさん、僕らはもう抵抗しない。僕は、あなたを探していたのだから……。今は結界の外だけど、創符『幻想創世神ザ・イリュージョンクリエイター』の一部を応用して、今話している。もう十分だ、サクリーナ、手を挙げて……。」

…………流星くんの、声が聴こえてくる。リーナは、手を上げて降参の意思を示す。

サクリーナ「…………うん…………。」

レミリア
「戦いを辞める……賢明な判断ね？
けれど……貴方達を招いた覚えは無いのだけれど、先ずは要件を伺っても良いかしら？」

レミリアの伸ばした紅き魔鎖が大図書館中を駆け回ると、再びレミリアの掌に戻り、霧散し消えていく。図書館に侵入した者達の様子を見て、戦いを続けるつもりは無いとわかると、この紅魔館に訪れた理由は何かと問いかける。

パチュリーは少し不審な表情をしながらも、口を挟むことはなく、黙ってこの場をレミリアに納めてもらう事にしている。