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ゲルトルイダside

ーーヘッドセット越しに聴こえてくる空電の耳障りな雑音、作戦行動時に割り振られていた秘匿回線はともかく通常の周波数オープンチャンネルでさえ、欠片も何の電波も拾わない。

「通信可能範囲内は御同業発見の見込み無し…か」

幾らか携行通信機を弄った後に、諦めた様な表情を浮かべつつ自身を隠蔽する林の中から、双眼鏡で何やら荒事になりつつある面々の動向を監視しつつ…

「非戦闘員?にしちゃあ随分とはちゃめちゃだけれど…流石に放って置くのは拙いかね？あの鎧の(クーガ)は遊びのつもりは無いらしい。」

彼女ゲルトルイダが居た世界に於けるPMSCs(民間軍事請負企業)を対象とする新モントルー条約に当て嵌めると…この状況は放置出来る様な状況では無い。

ジャキッ

ゆっくりと得物(R1A1カービン※FN FALの南アフリカライセンス生産モデル、且つそのカービン仕様)を構え、委託射撃の姿勢で迷い無く二人の少女らに斬撃を撃ち込む鎧姿の相当な手練れであろう何者か(クーガ)を中倍率照準器越しに捉えて

引き金は引かず

代わりに刺す様な鋭利な(殺気)を飛ばす。

それは狩りに興じるのは勝手だが、(他の目)がお前の一挙一動を見ているぞと言う警告めいたモノ。

無論，既に戦端は開かれている以上、彼クーガがリスクなど度外視し、無視されるかもしれないが…

最悪あの子(桜と秋穂)らや彼女らが守ろうとしている面々から自分に矛先を向けてくれれば
御の字だろう。