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少し大きな声で褒められたことに、ディアーナは目を見開いてぱちくりさせた。ガシャッと武器が彼女の腕の中から抜け落ちる。素晴らしい方、乗り越えた者、その言葉を聞いて、ディアーナは先ほど以上に顔をしかめたのをグウェンは知らない。

「グウェンさんの方がよっぽど素晴らしい方ですわよ。私は乗り越えてなんていないし、素晴らしくもなんともありませんわ。皆過大評価しすぎなんです、今生きているのだって、イオのおかげなのですから。」

ふふっと笑みをこぼすディアーナは、昔の呼び方に戻っているのには気づいていない。あくまでも自分は師匠の弟子だったからこの立場についているのだし、あの頃を生き延びれたのだって自身の力ではない。悪魔と契約し、イオに救ってもらったからこそ。自分が素晴らしい人間なわけがなかった。この手はあまりにも汚れすぎていて、汚すぎる。

落ちていた武器を拾えば、グウェンの言葉にうなづいた後苦笑した。私が優しい？それは多分勘違いだ。優しさなど、とうの昔に無くしている。

「優しくなどありませんわ。ただ甘いだけ、依存しているだけですの」