二次なりきり掲示板

Re: 【中文】It becomes one story【募集中】 ( No.124 )
日時: 2015/03/24 17:52
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)

>>120

会議室から自室へと戻ったイオは珍しく疲れを露にした様子でベッドに腰を下ろし、そのまま仰向けに身体を横たえる。
天井を眺めながらあらゆる事を思案するも思うように頭が働かず、とりあえず国を守る為に張り巡らせている闇の魔法を強化しておこうかとそのイメージを頭の中で思い浮かべれば、国を覆う闇の層は更に厚くそして強固なものへと形を変えて行く。

五分、いや……十分だけ、とそんな事を考えながら目を閉じるも、それと同時に部屋に響くノック音に再び意識を覚醒させた。

この気配はシルヴィアだ。妹が部屋に接近していた事にも気付かないとは……と苦笑しながら立ち上がり、前髪を掻き上げながら一つ息を漏らしてそのまま簡単に髪を整えると、開かれたその瞳は本来の鋭さを取り戻していた。

妹に疲弊した自分の姿を見せる訳にはいかない、とそう思うのは彼女が心配そうに眉尻を下げながら兄を見詰めるあの表情を見るのがイオにとって何よりも辛く耐え難い事だからだ。

過去の記憶の中に居るシルヴィアを思い出そうとすれば、自分の為に苦しむ姿ばかりが思い浮かぶ。
もう繰り返すわけにはいかない……イオは無意識に眉を寄せながらもシルヴィアの声に「入れ」と簡単に返すと、開かれた扉の向こうから微かに流れ込んでくるその独特な匂いに思わず眉間の皺を更に深く刻んだ。
しかしそこに居る筈のシルヴィアを見ようとはせずに目を逸らし、床へと視線を落としたまま小さく口を開く。

「何があった、シルヴィア」

わざわざ確認しなくとも、彼女が傷を負っている事は分かっている。しかし分かっていてもその姿を見れば動揺を隠せず、そんな自分を見ればシルヴィアが心を痛めてしまう。
現に今直ぐに中立の国へ再び出向いて傷を負わせた相手を殺してやろうかと、そんな事を考えてしまっているのだ。
あの六人の中の一人だったとして、他の五人の存在もあり容易に復讐を果たせる訳も無い。そこまで理解していようともそんな愚かな考えを抱いてしまう程に、妹に関する事に対しては冷静さを欠いてしまう。

イオは何とか心を鎮めようとその瞼を伏せながら、シルヴィアを一人置いて国に戻った事を悔やみ深い自責の念に駆られていた。



(ありがとうございます!久々にイオとシルヴィアで絡める事に歓喜です。ただの妹溺愛物語(?)にならないように頑張ります…)