二次なりきり掲示板

Re: 【中文】It becomes one story【募集中】 ( No.125 )
日時: 2015/03/24 18:53
名前: フレア (ID: dRebDXey)

「ふふっ、では....」

小さく微笑めば、咳払いをしてその顔から笑みを消した。横にいたグウェンが拳を握ったのには敢えて触れず、手を動かしながらも、名を伏せて、6年前の出来事を話し始めた。

「これは、酷く醜い女のお話です。」

初めはシルヴィアやイオのこと、国がどうだったかを話そうとしていた。けれど他人の、それも2人の話をするのは気が引けたし、国のことについてはある程度城のものから聞いているだろうと思った。だから名を伏せて、自身のことを話し出したのだ。あまり聞いていてタメになる話ではないが、まぁ悪魔契約のことに触れるのはこの話が一番最適であろう。

「女は、自身の存在意義や存在価値がわかりませんでした。血塗られた手はあまりにも汚く見え、自身に嫌悪感は抱くものの命を絶つのは怖く、毎日毎日人を殺しながら自問自答をしていたそうです。そんなある日、醜い女に手を差し伸べた男がおりました。男は女に存在意義を与え、殺すだけだったモノクロの毎日に色を与えたそうです。」

なるべく昔話っぽくなる様に工夫しながら、ディアーナは初めてまともに会話した日のことを思い出していた。あの時は王子であるイオを呼び捨てにし、かなり偉そうにしていた。今思えば死んで詫びたいほど恥ずかしい思い出だ。

そこから手短に6年前の戦争が起こったことを話せば、今回の話の本題とも言える契約について触れた。

「....女は男とその家族を守りたくて、男に幸せでいて欲しくて、悪魔と契約してしまいました。その日はあいにくの大雨で、契約時に生まれた右手にまとわりつく黒い炎を消すように、ずって降り続いていたそうです。悪魔は女の願いがあまりにも気に食わなくて、利き手だった右腕を一生使えないように壊してしまいました。」

本当に微かにしか動かなくなった右腕は、今でもディアーナを縛り付けていた。見るたびに鮮明に思い出す記憶は、激しい痛みと悲しみしか無かった。あの頃の楽しかった思い出など、霧のように霞みがかっている。

隣で話を聞いているグウェンがどんな表情をしているのか気になったが、見る勇気まではなかったのか、軽く息を吐いて話を続けた。