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「ちょ、何冷静にしてるんですの？！」

音がしたのにギョッとしてグウェンを見れば、頭から流れてる血を見て息を飲んだ。今はグウェンの言葉に何か返している暇はないと即座に思えば、自らのローブを切り裂いてグウェンの頭に巻きつけた。自分の叫ぶような声が反響したがそんなことは今どうでもいい。今は頭から流れてる血を止めて、グウェンに説教するのが先決だ。

「もう少し自分の体を大切にしないといけませんわよ！武器なんて後から拭けばどうにでもなりますわ！傷は残るかもしれないし、後遺症なんてあったらどうするつもりでして？！」

手慣れた手つきで素早く包帯代わりのローブのキレを巻けば、怒ったように声を少し上げる。昔の自分を見ているようで苛立ったのもあるが、それは気づかないふりをしよう。そう思いながらも怒りを納めるようにため息をついた。

「突飛な質問ではなかったので安心してくださいまし...とりあえず応急処置は致しましたが、念のため医務室に行くことをお勧めいたしますわ。自身の体は大切にしていないと、将来絶対に後悔いたしますわよ」

床に広がった血を拭けば、そう言ってグウェンの頭を撫でた。その手つきは優しく、手慣れていた。