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>>137《ありがとうございます》

あの後医務室から出てきたグウェンを待っていたディアーナは、壁にもたれて腕を組んだまま視線だけをそちらに向けた。
どこか疲れており、雰囲気が妖しいというよりも無気力、怠惰に近かいのは勘違いではない。

「大丈夫でしたの？」

先ほどよりも少し低くなった声でそう言えば、傷、と付け加えてもたれるのを止めた。ゆっくりとグウェンに歩み寄り、その頭を撫でればため息を吐く。まだまだ降り続いている雨が、ディアーナのため息をかき消すことはなかった。少し乱れた髪、何かいろんな感情を映し出す瞳は、グウェンには見えないからこそそのままにしているのだろう。

「疼きますわ...」

ボソッと発した言葉は廊下に響く。疼くはずのないのだ、感覚が無くなったのだから。それでもディアーナは右腕が疼いた気がして、思わずグウェンの頭を撫でていた左手を右手に伸ばし＿＿やめた。

本当に疲れているみたいですわね、と自身の体調を確認するように心の中で呟いて、自分よりも背の低いグウェンに視線を移した