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「渡したいもの…？」
何を渡したいんだろう…分からない。まあ、いいや…と室内に入る。ロアはこの六年間の殆どを本を読む事によって潰してきたので、多くの本を見ていた。流石は女子の部屋、いい香りがする。
「…兄さんが…此処に…ねぇ。」
きっと兄さんの事だから、国の事とか、姉さんの事とかを話しに来たのだろう。当たり前だろうけど、兄さんは僕の部屋に来たことは無い。僕では相談相手にも、話し相手にもならない。兄さんは僕よりももっと広い広い世界を見てきたのだ。世の中の厳しさ、楽しさだってきっと知っている…。そんな兄さんが来るわけがない。
「一体兄さんは何の用で来たの？」
一応聞いてみることにした。兄さんとは下手をすれば六年間会ってないんじゃないのかな。

【これで落ちます。】