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>>215
「そう……。」
きっと僕は兄さんや姉さんの情報に飢えているんだな…と憂鬱になる。外へあまり出なかった僕のせいなのか、会いに来ない兄さんや姉さんのせいなのかは分からない…多分僕のせいだろうけど。そんなことを考えている内に、白いケースが差し出された。
「え、えっと…ありがとう…。」
机の引き出しが開いているということは、そこから取り出したということ。奥に見えている青色と紫色のリボンはきっと、兄さんと姉さんの物なのだろう。
「指輪ねぇ……呪術的な意味が込められている事もあれば、魔除けに使われたり、身分の象徴だったり…はたまた婚約とか既婚とかの印であったり…これ程いろんな意味を持っていて、興味深いアクセサリーは無いと思うけどね…。」
クスリと笑う。

>>216
ベランダに出ている人影を見つけるや否や、レイは喜びを感じながらもその心の中に不安が渦巻いていくのを感じていた。
「姫様！！」
広場に居た光の国の国民が、その声に驚いてレイの方を向く。しかしそんなことを気に留める様子も無く、レイは歩みを止めない。
「姫様、私は昔姫様にお仕えしていた者。しかし今は身を堕としてしまいました。姫様、メリンダ…いえ第二王女は死にました！姫様、私を救ってください！！」
レイの目線は、まっすぐにフィオナを見つめている。その凛とした声は決して曇る事無く広場に響き渡る。
「姫様、覚えておいででしょうか？私はレイ。姫様に仕えていたレイ＝オールドです！」
6年も経つんだ…。果たして姫様は私のことを覚えてくれているだろうか？

【少しばかり来れなくてすみません。】