二次なりきり掲示板
- Re: 【中文】It becomes one story【募集中】 ( No.218 )
- 日時: 2015/06/10 01:04
- 名前: 緋織 ◆S2QRgg5fs2 (ID: wGslLelu)
>>217
下の方から自分を呼ぶ声が聞こえフィオナは手すりに手を置き下を見下ろす。
せいぜい20メートルくらいの高さだ。顔が見えないことはない。
そこには叫びながら歩いている女性がおり、周りの国民はそれを避けるようにして道を作っている。少しだけ怪訝そうな表情を浮かべ首をかしげるフィオナ。
呆然と女性を見下ろしていると告げられた言葉にフィオナは思い出した、というように小さく口を開き目を瞬かせた。
メリンダ、その名前を忘れるはずがない。
違っていたとはいえ短い間だけだったが大切な自分の妹の名。
それとメイド長だったレイの顔が女性と重なる。
間違いない今そこにいるのはレイ。
二つの名前が並び思い出されるのは6年前の記憶。
水の国の件。あれにはどれだけ頭を悩まされたことか…、と少しだけ疲れた顔を見せたがすぐにいつも通りの顔に戻りレイを見下ろした。
『メリンダは死にました!』
レイがその言葉を言ったとたんフィオナは一瞬時間が止まったような感覚に襲われた。
どうして、なんで、なにがあったの、と義理であっても妹の死に数々の疑問を浮かべるがフィオナは何も喋らずレイを見据えた。
内心かなり動揺している。
しかし、実の妹である死をかせにして自分に助けを求めてくるレイにも心底疑問を抱いていた。
公共の場で妹の死を叫び自分への助けを求めるレイにフィオナは眉を寄せる。
そうだ、いきなり現れたと思ったら助けてだなんて、詳しい事情何もわからない。
普段のフィオナだったら手を差し伸べていただろうが、今は失われた魔法の問題もある。
侵入者が誰かわからないまま国を出たレイに簡単に手を差し伸べることはできない。ましてやここは国民の目もある。
「とりあえず、場所を変えましょう…レイ。今従者に向かわせるわ」
フィオナは真っ直ぐな声音で言葉を落とすと身を翻し部屋に入っていった。
向かうは客間。きっとすぐ従者がレイを連れてくるだろう。
フィオナは長い机のはじに座りレイがくるまで6年前の思い出に浸っていった。
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