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《了解しました》

青年は一人、チェスの駒を弄びながらその場からの景色を眺めていた。青い空、心地よい風、あたり一面に広がる草原。今国で起きていることなんてないように錯覚させるほどののどかな風景を見ながら、その場に似つかわしくない皮肉げな笑みを浮かべる。そしてつぶやくのだ＿＿「糞食らえ」と。

青年＿＿ハミット=ウィルカモーネは少し苛立っていた。

何に？今反逆起こしている奴らにだ。
なぜ？自分の師であるサレンが守ろうとした国を壊しやがったからだ。
なら何故ここにいる？頭を冷やさなければいけないと思ったからだ。

一人で質問し、一人でそれに応える。そんなことを心の中でしていたハミットは、ゆっくりとだけど確実に怒りを鎮めていった。

だけど気づいてはいた。背後から近寄る気配には。
だからわざと、お気楽そうな声で語りかける。

「背後から近寄るとはなかなかいい度胸だねぇ。いやー、僕感心しちゃうよ！」