ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作小説、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

>>275
「んー……天気、悪いね。どこかで雨宿りできる場所が、あればいいんだけど……。」
街道沿いを歩きながら、ポツリと呟く少年。

「……そうだね、ヴェノン。幸い、この辺りには悪い人は居ないみたいだから。
…………大丈夫だよ、いざとなったら、ボクら二人だったら、どんな苦境も乗り越えられるよ。」
そう言い、笑う少年。だが、辺りには人はいない。二重人格者なのだから、当たり前だが。
腰の刀剣が揺れ、くるりと和傘を回す。雨は振っていない。

「ねえ、ヴェノン。ボクは復讐には生きたくないんだ。
だって、そんなのあまりにも悲しいじゃない？…………そう。ヴェノンはそう思うなら、話し合うしかないね。」
まもなく、雨が振ってきた。少年はまた、街道沿いを歩く。