ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作小説、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

>>276

風が冷たい、やはりこの格好では少し肌寒かった。
ワンピースとゆるく巻かれた髪を靡かせながら、その小柄で小動物をおもわせる容姿には不釣り合いな黒い大鎌を背負う少女は一人呟く。

先ほどまで暴れていたため、白いカーディガンはところどころが破れてしまい捨ててしまったから羽織るものがない。これは痛手だ、そう思うと同時にポツリポツリと雨が降り出す。

「...寒い」

濡れた白い腕をさすりながら、年の割に幼い顔を少し顰める。
着替え、どこかで拝借しないといけないな。ついでにお風呂にも入りたい。

温もりが欲しい_____なんとなくそう思ってしまう。
誰かと話したい_____胸の疼きを抑えるためにも。

街道沿いを歩いていたが、ふいに歩みを止めればそれを見上げる。
暗い、暗い、暗い空。まるで、私たちの抱く復讐の色が外に漏れ出したみたいだ___なんて、バカなことを考えながら。