二次なりきり掲示板

Re: 【中文】It becomes one story【募集中】 ( No.34 )
日時: 2015/03/20 11:52
名前: 緋織 ◆S2QRgg5fs2 (ID: KG6j5ysh)

>>30

風が新鮮な血の匂いを運ぶ。普通なら顔を歪める所だがシルヴィアは違った。
争い好きなシルヴィアはその血の匂いをかぐと少しだけ自分の血が疼いたような感覚に襲われる。
少しだけ新たな敵と戦いたい、という気持ちになるが今我を忘れて戦ってしまうと兄に迷惑をかけるだろうし、きっと助けるべき人々も殺してしまうだろう。それだけは避けたい。
シルヴィアは自分落ち着かせもう一度戦火が燃え広がる国だった所に目を向けた。
おそらくこのままでは中立の国は滅びるだろう。軍を動かすには時間はかかる。
むしろ軍が到着したとしても勝てるのかもわからない。
たった一晩で全滅とはいかないがここまでにしたたった6人の人物はいったい何者だろう。
一つも答えが見出せないままシルヴィアは戦火の中に身を投じようと足を進めようとした。

「……いっ」

突然襲いかかる衝撃。
自分が切りつけられたのだと状況を一瞬で理解すると先程までの顔つきとはうって変わって鋭い眼差しで目の前の人物を睨みつけた。
左肩からの鋭い痛みに思わず変な汗が出る。しかし、顔に出したら終わりだ。
相手が持っているのは大剣。おそらく切り、叩きつけられたのだろう。
どくどくと流れ脈打つ自分の血を感じながらも冷静を装って相手を見据える。

暗闇でよく見えなかった相手の顔が近くまで来た戦火で照らされる。
驚いた事に相手は泣いていた。何かを耐えるような、それでも諦めきったような顔をしていた。
シルヴィアはそれをみて眉を寄せ、右手に持っていた自分の武器である装飾の施されたレイピアを握った。
見た目は綺麗で王族が戯れにもつものにしか見えないがシルヴィアはレイピアを幼い頃にもらったその時から実用として戦場に持ちいり多くの人々を殺し、レイピアは血を吸ってきた。

しかし、涙に濡れた相手の瞳と目があうと不思議な気持ちになった。
この男どこかで見たことがある、シルヴィアは直感的にそう思うと記憶を遡った。

「シ、ファ……」

ようやく相手の名前を思い出し確信をついたような声音でそういうとシルヴィアはさらに眉を寄せた。
たしか6年前に中立の国で剣を交わらせた男だ。フィオナのところに遊びに行ったら大体はこの男を見かけていた。
なぜ彼がこんなところにいて、ボクに剣を向けたのだろう。
それに王女であるフィオナにこれ以上ないくらいの忠誠を誓っていたのに。もっともあれは忠誠というよりは別のなにかに見えた気もする。

裏切りか。シルヴィアは勝手にその答えをだしすっと真顔になるとシファをにらんだ。

「……おまえの忠誠ぃ、意外と薄っぺらいものだったんだねぇ」

嫌味を込めた声音でシルヴィアはそういった。その言葉に返事はなかった。
肩の痛みにはだいぶ慣れてきていた。兄様にはなんて説明をしよう、いっそ隠し通してみせよう。


俺を殺せ、と言ったシファにシルヴィアはにたりという効果音がぴったりなほどに微笑みレイピアをスッと構えた。
あいにく自分が死にたいという願望は持ち合わせていない。
両者殺気立った雰囲気の中、傷ついた肩を庇うわけでもなく、普段通りの動きでシルヴィアが攻撃を仕掛けた。

もう少しで刃がシファを貫くその瞬間違和感を感じた。
相手の殺気が消えたのだ。一瞬のことだったがそれに気付いたシルヴィアは息を飲むと急所である心臓を狙っていたレイピアの軌道を変えた。
刺さった場所は左脚。刃がまだ刺さっているままそのままの体制で至近距離でシファを見上げ睨みつけた。どういうつもりだ、と言わんばかりの視線でその瞳には怒りが混じっていた。
そして脚なら大丈夫だと判断しぐっと深く刃を刺した。

「ねぇー、最初から殺されるつもりだったんでしょぉ」

【いえいえ病み大歓迎です!! シファくん好きです、むしろフィオナが早く返事をしない事が悪いのです…!ごめんなさい】