二次なりきり掲示板
- Re: 【中文】It becomes one story【募集中】 ( No.35 )
- 日時: 2015/03/20 13:31
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: h7vJo80q)
>>34
シルヴィアの鋭い瞳、一瞬にして獲物を狩る時の獣のような輝きを放つ美しい銀色の瞳に、シファは小さくその身を震わせる。それは恐怖と言うよりは疼きに似たような、奮い立つような感覚。
シルヴィアの左肩を自らの大剣が食い千切る感触、その傷口から溢れ視界を赤く染める彼女の鮮血は彼の中の衝動を更に掻き立てる。
視界の隅で彼女の華奢な手がレイピアを握り直したのが見えた。未だ幼いその顔は一瞬も怯むこと無く目の前の敵を真っ直ぐ見据えていて、その瞳の奥には今も兄の姿があるのだろうと、彼女の強がりとも受け取れるその振る舞いが感じさせる揺らがぬ兄への愛はシファの中の忠誠心を呼び起こそうとする。
しかし彼は自分の中で繰り広げられているその戦いに打ち勝とうとも思っていない。このまま復讐心の方に飲み込まれてしまえばそれで良い。それが今自分に出来る最善の選択だと思えた。
不意に名前を呼ばれて、シファは彼女が自分の名前を覚えていた事に驚き目を見開いた。兄だけが居れば良い、とすら思っていそうな彼女が殆ど関わりを持たない人間の事を記憶していようとは。
しかしそんな些細な疑問も一瞬にして掻き消される。
その後すぐシルヴィアが発した言葉に世界が止まるような、一瞬本当に全てが凍り付いたような、そんな不思議な感覚に襲われた。
『……おまえの忠誠ぃ、意外と薄っぺらいものだったんだねぇ』
どくん、と自分の心臓の音が一度だけ、しかし大きく響く。
その直後怒りとして沸き立つ彼女の言葉に反発しようとする自分と、その通りだと心の中で頷き全てを諦めようとしている自分。シルヴィアの言動に心を掻き乱されながらも、頭の中を反響するその言葉の意味を理解し、そして世界が再び動き出した時。
彼女はシファを蔑むような、しかし綺麗な微笑みを向けながらレイピアを構えていた。青年は明らかに動揺した様子で、しかし静かに微笑みを浮かべる。彼には、その手に構えたレイピアで自分の心臓を貫くシルヴィアの姿が確かに見えていた。
彼が見せた笑みはとても穏やかで、それは何処か恐怖すら感じさせるものだった。
彼女が剣を突き出そうとしたその瞬間、シファは内から溢れ出る力を抑え込むと自分の死を覚悟して静かに目を閉じる。
しかし予想に反して左脚を襲った激痛に思わず目を開くと、シルヴィアは怒りを含んだ瞳でシファを睨み付けていた。容赦無く刃を押し進める彼女を見て、よっぽど機嫌を損ねてしまったようだ、とそんなことを思い痛みに耐えながらも苦笑を漏らす。
どう言い訳しようかと思案しながら再び大剣を構え直そうとしたシファだったが、彼女が投げかけて来た全てを見透かしたような言葉、それを聞いた瞬間に彼の中に生じた焦りはシファの判断を鈍らせた。抑制し切れないその感情に歯を食いしばり悲痛な表情を浮かべると、微かな声で言葉を紡ぐ。
「頼む、から……俺があの人に、光の国に手を出す前に……」
そう声にならない声で呟くシファはその顔を俯かせていたが、その表情までは隠し切れていなかった。
(戦闘狂なシルヴィアが懐かしすぎて好きすぎてやばい。何かシファの描写を書きながらペイン状態のイオを思い出してます。いやいや王女様ですし!この設定の二人かなりおいしいなーと思ってる自分なので…)
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