二次なりきり掲示板
- Re: 【中文】It becomes one story【募集中】 ( No.82 )
- 日時: 2015/03/22 11:05
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)
>>62
俯かせた顔を覗き込むようにして顔を近付けてきたシルヴィアから向けられていたのは、困惑や焦りを含んだ若干ぎこちない笑みだった。動揺しているシファがその表情から彼女の心理を読み取る事など到底不可能だ。しかしそれは彼に何かを訴え掛ける。
どうして……と何度も頭の中で繰り返されるその声はやがてシファが想う一人の女性の声と重なり、脳裏に浮かぶのは彼女の悲痛な表情。しかしそれと同時に噴き上がる炎はそれを一瞬にして呑み込んでしまう。
シファはシルヴィアの問いや怒声、行動に対して何か言葉を返す余裕も無く……ただ、口を固く結んだまま容赦無く襲い来る激痛に耐えていた。額には汗が滲み、弄ぶように刺激され続けている傷口からは常に新しい血液が溢れ出す。
自分の感情を吐き出して息を乱す彼女は、追い詰められた様に目を見開いてシファを見詰めてからその整った顔を歪め、何処か混乱した様子でその場に力無く崩れ落ちた。
「…………っ、」
シルヴィアの意志とは関係無く無造作に引き抜かれたレイピアは、刺された時とは違う角度を向きながら更に肉を引き裂くようにしてズルリと引き抜かれる。
シファはその痛みに顔を歪め、地に伏せた彼女を哀れむように見下ろした。目の前で息絶え絶えに懇願するシルヴィアから先程までの気迫は感じられず、その姿は自分の非力さに絶望し涙を流す小さな少女にすら見える。
今の自分ではそんな彼女に対して手を差し伸べる事も、そして彼女が命を投げ捨ててでも守りたいと思う兄に手を出さないと約束を交わしその心を救う事も出来ない。
痛む足を無理矢理引き摺る様にして後退りシルヴィアと距離を取ると、自分とシルヴィアの間に炎の壁を立ち昇らせたシファは、悲しそうな笑みを浮かべながら顔を上げてシルヴィアの姿を再度その瞳に映した。
地面を焦がす炎はシルヴィアの存在を拒絶する彼の心に呼応して無意識に生じたもので、自身に宿る厄介な力を見詰めながらシファは小さく呟く。
「俺が正気を保っているうちに、……何とかしてこの場から退いてくれ」
いや、もう自分の中に正気と呼べるような正常な心は残っていないのかもしれない。それでも、今は彼女に退いて欲しいと、この場から生還して彼女が想う兄と笑顔で過ごして欲しいと思えているのだ。
「次は迷うな」
背を向けたシファが発したその言葉にはシルヴィアに助かって欲しいと思う気持ちも含まれていたが、自分の為にどうかそうして欲しいと願うシファからの最後の言葉でもあった。
(ペインの名前を聞くと謎の疼きがry ここでシファは退かせようと思うのですが、このまま続けて戦闘に入るとなると味方サイドも少なく手負い状態なのでシファ死にかねないかと……お二人にお任せします!)
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