二次なりきり掲示板
- Re: プリムラジュリアンの花束の夢【中級者向けスレ】 ( No.27 )
- 日時: 2015/04/29 15:41
- 名前: 尾宮 ◆UI78YI0I2I (ID: LuHX0g2z)
>>25 >>26
【シルヴァン=カプトヴィエル/屋敷内/キッチンから食堂へ】
キッチンへ踏み入るとシルヴァンはクラーチェの後ろを通って水道の前に。蛇口をひねって手についた汗やら土やらをそこで一気に洗い流した。
背後から聞こえる呑気なルーカスの文句は、何もおかしくないくせに、この男は「はっはっはっ」と薄い笑い声をあげた。
「それは失敬。クラーチェには悪いことをしたねえ。でも僕は寝坊をした覚えはないよ。何しろ太陽が昇る少し前から今に至るまで、ずっと庭の雑草毟りをしていたわけだから」
穏やかでぼんやりとした物腰は変わることが無いけれど、それでもどこか普段よりおどけた言い方をしているのはルーカスの今の言葉が本気ではないと知っているからだ。
ルーカスは何かと自分に頼みごとをしてくる。もっとも嫌いな仕事を押し付けているというのが正しいのだろうが、それを特段嫌だとも、苦労だとも、思わないからシルヴァンは何でもかんでも引き受けては彼女の世話を焼く。
今朝だってもしもクラーチェより先に自分と会っていたならば、彼女が居まして要る仕事は自分の仕事だったに違いない。
汚れを流し終えたところで、視界の端っこに花弁のような薄紅が映り込み、そちらの方に顔を向ける。彼女の頭と同時に垂れた。「チョーカー」は相変わらずつけているみたいだった。
「ああ、じゃあ頼むよ。君が作ってくれるならきっと何だって美味しいから適当に、まあ不味くても別にいいけど」
パッパッと濡れた手の水を切る。自らを卑下するクラーチェの一言には触れることは無かった。何しろそれはクラーチェの口癖みたいなものだとしばらく一緒に住んで何となく理解したつもりだし、別に本人が望んで口にしているならば自分が態々訂正してやるなんて“おせっかい”になるだろう。そう思っていた。
もしも彼女がそのおせっかいを必要としているならば、あるいは口を出すことダッテしただろうけれど、サッシの悪いシルヴァンにはそんな芸当出来そうもない。
クラーチェの顔を、シルヴァンは少しだけ黙って何か言いたげに見ていた。そしてそのあとキッチンを出て、食堂の方へと足を運んだ。一番近くにあった椅子に座り背もたれにもたれかかると、肩や首の骨を伸ばしたり回したり。ずっとしゃばみっぱなしの作業をしていたせいで体はすっかりこってしまったらしい。パキン、ポキン、と骨のなる音がする。
気のせいかもしれないが、クラーチェはなんとなく自分に優しいような気がした。「チョーカー」をあげたその日から、化物に会ったかのような怯え方をすることが減ったし、以前ならそんなに柔らかな笑顔だって見せてくれることはまずなかったし。
チョーカー、気に入ってくれているのかな。慕ってくれてるってことかな。まあそういうワケだったらなんでもいいけど。
もしもルーカスが暖炉に身を投げ、燃え死んでしまったら。本人の口からそれを聞き、顎に手を添えて少しだけシルヴァンは「んー」なんて気のない声を出しながら考える。
「まあクラーチェはきっと助けてくれるんじゃないのかな」
彼女は優しいからね、なんて本人が同じ空間にいるにもかかわらず勝手なことを言って。つくづく適当発言ではあるが、優しい性分イコール手を差し伸べてくれるという方程式は、彼の中では十分に理論的だったらしい。
「僕……僕はどうかな。でも君が助けてほしいって思うんならそういう時、君を助けることにしようか」
死にたがっている君が、自分に助けを求めるなんて不思議な話のような気がして。
「ルーカス、君は僕に助けてほしいって思うのかい」
焼死なんて大それた話ではなかったと聞くと「ああ、なんだ。焼死じゃないのか」とまるであたかもがっかりしたかのようなことを言うけれど、別にガッカリしているわけではなく実際はその逆なのだ。
「っていうか、え。ルーカスが料理を?」
まったく、ルーカスの言うこともあながち間違いではない。
どういう着眼点か妹の火傷の心配よりも妹が料理を試みたという事実の方に関心が行って、物珍しそうに今一度ルーカスの方を見たのだから。別に怒らせようなんて気はないけれどもそっちの方が驚いた。だってルーカスは一度だって自分から家事をしようなんてそぶりを見せたことは無く、何か困ると誰かを頼ってばかりだったように思っていたのだから、いがいだったのだ。
【変な区切り方ですびばせん;; 拾いたい部分を全然拾えてなくてソックがでかい尾宮です。ルーカスちゃんにもクラーチェちゃんにも触れられているか不安^q^】
>>25
【ですよねえ…。っていうか私も新なりの方はゆきしまさんのスレ以外には入っていないんですけれども!! 旧なりは自分のスレとか、今は主様が不在っぽいスレとか…;;
そして質問が生まれたのですが、カプトヴィエル家の兄弟の関係って年齢順になるのでしょうか? それとも迎えられた順でしょうか?】
>>26
【そう言えばこのチョーカー、どういうモチーフのものなんでしょうか。色とか飾りの部分とか?
そうですねえ……自暴自棄のクラーチェに声を掛けたところで多分この人は気の利いたことは言えないんだと思います。「死にたいのかい。そうか、残念だけれど君のことは君の好きなようにおしよ」とか。もしかしたら
「あの世に行くなら、これをあげるよ。教会で作られた聖なる力が籠っているから君を守ってくれるかも。まあ本当かどうかは知らないけど」
みたいな。安全装置という言葉が出て来たゆえにパッと思いついたことですが……。】
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