二次なりきり掲示板
- 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.117 )
- 日時: 2015/06/04 21:05
- 名前: JESSICA (ID: qJIEpq4P)
「……なるほど。……可愛らしい子ですね」
名前の意味を聞き、すっかり大きくなったとのフィロメーナの言葉に笑みをこぼしながら、かがみこんでクレメルヒェンを優しく撫でる。こうやってゆっくりと動物にふれ合うのは久しぶりだったため、テオドール自身も嬉しげだった。
クレメルヒェンを褒めたことで、フィロメーナの表情もより一層柔らかいものに変わった。彼女にとって彼がどれほどの存在なのかはその様子で察しが付くものだった。こんなにも愛されていればこの子も幸せだろう、と嬉しげにクレメルヒェンを眺めていた。
「……あぁ、そうでしたか」
騎士団を知らない。その言葉を聞いてテオドールは思わず意外そうな表情を顔に浮かべたが、店の外には出ていないと聞き、納得して頷いた。騎士団を知らないと言うなら、ここ最近の外界のことも知らないのだろう。……知らない方がいいこともある。
「……治安維持……まぁそのようなものです」
苦笑気味にそう呟き、何かあれば相談してください、と付け足した。此処が反乱軍との交戦の場になることはないだろうが、犯罪の取り締まりも街を守るためには必要なことだ。事実、愛犬が一緒とは言え、女性一人で店をしているフィロメーナが心配だったこともある。
「……あなたを驚かせてしまったかと思って。……それなら俺も気が楽です」
騎士団の団員がこんなところをフラフラしているのを見られてはいけない気もしていたため、力が抜けたように苦笑してそう言った。腰に下がっている剣も何となく手で押さえていたが、もう必要もないだろうと力が抜けた様子だった。
テオドールさん、と自分の名前をじっくりと呟かれて恥ずかしそうに微かな笑みを浮かべたテオドールだったが、お探しのもの、と聞かれて申し訳なさそうにそれが、と言葉を紡いだ。
「……此処をたまたま見て入ってみたんです。……普段は本を読む時間もなくて、何がいいのかあまり分からないな……」
昔から勤勉ではあったが、勉学をする機会も理由もなかったテオドールは文字を覚えたはいいが、好き好んで本を読もうと考えたこともなかった。興味を持ったのもつい最近だった。
周りの本棚をぐるりと見渡して、うなりながらそう呟く。
「……お勧めは、ありますか? ……その、あまり長いものは読めないのですが」
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