二次なりきり掲示板

【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.127 )
日時: 2015/06/06 20:20
名前: JESSICA (ID: qJIEpq4P)

 どうやらまだ酔いは醒めていない様子で、フィロメーナは首を倒しながら幾分彼女にしては幼い様子で幸せと何故思えるのか、そう聞いてきた。それと同時に彼女は幾分か自分を羨ましげに眺めている様子だった。彼女は何も幸せではないのだろうか。テオドールはそう思いながら恥ずかしげに苦笑した。

「……こうやって静かな場所で、本を手にとれて、あなたが俺のために何かを考えられる状況は……幸せだと思います」

 本当はこの世界は幸せなどではない。今でもこの町で苦しんでいる人はたくさんいる、反乱軍との戦いで敵も味方もこの瞬間にも何十人、何百人と傷ついて命が消えているかもしれない。そう考えると自分がこの場所に幸せだと言いながら立っているのはあまりにもあさましく、罪深く感じる。

 ただ、この目の前の女性が、幸せの意味を純粋な目で真剣に訪ねてくる。彼女も此処で静かに苦しんでいるのかもしれない、外に出ることもない彼女がこのままずっと幸せを見つけられないのかもしれない。それはどうしても嫌だった。

「……幸せでなければ、他人のことなど考えることもできない。……自分が生きていくだけで精一杯で、他人が地面に倒れていたとしても、助け出す者などいない。……あなたは今、俺のために本棚をめぐってこの本を持って来てくれました、こんなことができる状況やあなたの心遣いをもらった俺は幸せです」

 やはり”幸せ”などと言う言葉を使うのは恥ずかしいらしく、テオドールは終始はにかんでいたが、しっかりとした口調でフィロメーナの目を見つめていた。

「……あなたには、幸せはありませんか?」