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二次なりきり掲示板
- Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.133 )
- 日時: 2015/06/06 21:22
- 名前: フレア (ID: Pk3oxKzN)
「別に直さなくていいんですよ〜?逆に愛想のいいお兄様なんてお兄様じゃありませんしねぇ」
抱きついたままフワフワとした口調で言えば、「それに私も愛想がいいだけですしねぇ」と小さく漏らした。
いつも笑顔でウィルフレッド様とは違いますね、セレーナ様はそのままでいてくださいね、繰り返し言われる言葉に幼い頃のセレーナは疑問を抱いていた。兄と違う、と言われるのは好きでは無かったけれど、笑顔でいるのが当然、と言われているような気がしたセレーナは言われる言葉に頷くことしかできなかったのだ。
愛されていたと。いつも笑顔で愛想の良い「セレーナ=アフェクト」を皆が慕っていてくれたとは思う。でもそれは所詮偽りで、肉親である両親でさえも本当の自分を愛してくれることはなかったはずだ。幼い頃から愛想がよく嘘をつくのがうまかった自分がいけなかったのだろうが、それでもやはり自分を見てくれないのは悲しく、偽らずに素を出し、怒られながらもみんなに構われている兄に少なからずの嫉妬心は抱いていた。
「苦労なんてかけてないですよぉ〜。私はお兄様がいてくれれば、何があろうと平気です」
一言、兄が発した言葉にそう返す。兄がいたから、自分を見てくれる人がいたから自分は生きてこれたのだ。だからこれぐらいなんてことはないし、迷惑をかけられているとも思っていない。こうやって嫌がらずに抱きしめ返してくれて、愛情を注いでくれるのだからセレーナは十分だった。
兄がいるから頑張れる、兄がいたから人を信じるということをやめなかった。
人によってはこれを依存というのだろう。気味が悪いというのだろう。けれどそれでも構わなかった、兄に言われれば少し泣いてしまうかもしれないが、他の人に言われるのなら痛くもかゆくもないのだ。
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