二次なりきり掲示板

【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.136 )
日時: 2015/06/06 22:17
名前: JESSICA (ID: qJIEpq4P)

「……フィロメーナさん?」

 彼女が突然に泣き出してしまったことに、テオドールはかなり戸惑った様子だった。それは、先ほどの自分の行動はあまりにも軽率なものに思われたからだった。彼女が自分の腕がないことを気にしていることは自分でも重々承知だったではないか。

 今彼女が泣いているのは自分が彼女の心の傷をえぐったからだと、テオドールはそう信じて疑わなかった。クレメルヒェンも彼女が泣いているのに気付くと、心配そうに駆け寄って顔を舐め始める。彼にとっても、主人が泣いているのは不安であり、第一心配なのだろう。

「……すみません、あの」

 近寄ることもできず、深い反省を込めて謝罪この言葉が自然に漏れた。いつもの悪い癖だ、何も考えずに行動してしまう、言葉を発してしまう——時に騎士団として冷静な判断を下さなければならない自分がこんなことをしてしまっていいのか、そう自分を責めていた時だった。

 フィロメーナの口から、思いもよらない言葉が漏れた。優しいと、すごく優しいとそう言われ、テオドールは戸惑ったまま、不思議そうに首をかしげた。未だに彼女の目からは涙がこぼれ続けているのに、彼女は自分へと感謝を述べたのだ。

「……すみません、俺、何も考えずに……気に障りましたか……? ……お願いですから、頭をあげて下さい」

 泣きながら自分に頭を下げたフィロメーナをテオドールは慌てて制して懇願するようにそう言った。