二次なりきり掲示板
- 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.182 )
- 日時: 2015/06/21 19:12
- 名前: JESSICA (ID: 3L0NyJ0C)
「……あの方々はちゃんと分かってるよ、でも今はこの争いが必要だから」
そうしないと何も始まらない。分かっていないのはお互いだ、あの方々はこの国を救おうと知恵を絞っているが、今までの経緯から国民は王族を信じようとしなくなってしまった。反乱軍にしてもそうだ、こちらは能力者を救おうと研究を続けていると云うのに。
「……戦いが大きな存在になっているんだろう。其処に自分の居場所を見つけてしまえば、元に戻るのは困難だ。……国は今動いている、それをみんなが理解すればいいが、あの争いの中で誰が互いの事を知ろうとするか、歩み寄れば即座にころされるあの中で手を取って話しあおうとする奴なんかな誰もいない……こちらが融和的に歩み寄っても反乱軍側がなおも否定するなら戦いは長引くだけだ……本当に分かっていないのは——」
テオドールの中に、狂おしい程の忠誠心がぎらついていた。いつの前にか自分の中に根付いていたその忠誠心はあまりにも敏感に、己の主に対する情報を察知する。それがたとえ自分の大切な人間であっても、己の主を侮辱するなら打ちのめすしかないのだ。それが自分の使命でもある。その仕事が唯一の自分の生きる意味だった。
しかし、ふと我に戻ると、フィロメーナの様子に気づき、口をつぐんで続きの言葉を飲み込んだ。彼女の綺麗な瞳は再び濁っていた、彼女が嫌いだと云っていた自嘲的な笑みが、その唇を歪めていた。失われたその右腕を見て、罪悪感が膨らんで、息苦しくなる。
「…………ごめん」
どうにも繕えないほど狼狽した表情でテオドールはそう呟き、悔しげに唇をかんだ。一瞬でも我を忘れた自分が憎かった、彼女の前で言う話ではなかったはずだ。
「……俺みたいな人間が、君の宝物を読んでも良いのかな……君を悲しませるような人間が」
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