二次なりきり掲示板

【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.184 )
日時: 2015/06/21 21:24
名前: JESSICA (ID: 3L0NyJ0C)

「…………あの人たちは不幸だ」

 国に何かがあれば、それがだれの責任でなくてもトップは常に責められる。誰かに利益がある事は誰かに不利益をもたらす事もある。この世界に平和はない——平和が訪れた瞬間、自分に生きる意味はなくなる。

 漏れる言葉や、フィロメーナの言葉に不安を感じ、謝らなくても良いと云われても落ち着けなかった。フィロメーナは理解してくれると思った、しかし彼女も何か、まだ知り合ったばかりの自分には話せようもないようなものを抱えている様子だった。

「……怒って良いんだよ、俺に……君の中で何かがたまっているんだったら……俺に吐きだせばいい。俺には……その責任がある」

 戦いに参加している以上、その覚悟はしている。その代わりに、あの人たちの事は責めないでほしい。仕方がないことだと云ってしまえば、誰ひとり何処にも吐き出せない感情を抱えてしまうことになる。何処にも不満や寂しさや怒りを吐き出せなくなる。

 無理かな、と寂しげに眼を伏せたテオドールは思わずクレメルヒェンに手を伸ばそうとしたがそれも止めた。苦笑を浮かべたまま、手の中にある、彼女の大切な物語を眺める。

「……俺も、君の事を知りたい……」

 そして、出来るなら穏やかな世界へと、外の世界に、出てきてほしい。
 それまでに自分は、その世界を作らなければいけない。

 また更に、此処に再び来る事が出来なくなったような気がした。たった一人の人間が、何年にもわたって続いたあの争いを止める事はほぼ不可能だ。それを実現する過程で、自分の命を守ること考えていれば、なおさらだ。

「……君に、温かな外の世界を見てほしい」

 しかし、そんなことはこの際どうでもいいものだ。あの場所は既に自分の居場所だった。どう繕っても自分は血にまみれ、あの気が狂いそうな場所を愛している狂人だ。あの場所がなくなったら、多分、生きることは不可能だ。そんな自分の代わりに、彼女が陽の光を浴びるなら、それはどんなにいいものだろうか。

「……君の目が、また外の世界を見つめて、綺麗になるように……俺は頑張るから」

 穏やかな笑みを浮かべ、テオドールはフィロメーナへとそう言った。柔らかな口調で少し安易だったかな、と少し照れたように笑う様子は、先程の厳しい雰囲気はなく、既に気の抜けた彼自身に戻っていた。



 そろそろ解散しましょうか? あまり長く話し過ぎるのもあれなので……