二次なりきり掲示板
- Re: ( No.216 )
- 日時: 2015/08/01 06:47
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)
>>213
風に流れる髪が視界を覆う。瞬きをした次の瞬間に視界に映るイヴの横顔はあの頃と何も変わっていない。
やはり変わったのは自分の方か……と視線を落とし小さく微笑むと、頬に添えられた手に再び顔を上げ、リオはイヴの言葉に耳を傾けた。
彼女が紡ぐ言葉から呼び起こされる記憶。
『——……人が倒れてるの!!!』
ああ、煩い。ぼんやりと頭に響くその声はハッキリと聞き取れた訳では無かった。しかし、もう人間が発する声など聞きたくも無かった。このまま死んでも良い……と、そんな事を考えながら意識を手放したのだから。
思えば僕は、初めから空っぽだった。
物心が付いた時、家族は当たり前のようにそこに在った。しかしそこに愛情と呼べるような繋がりは何一つとして無かった。家を空けがちな父の後を追えばそこにはもう一つの家庭があった。一人の少年と目が合った瞬間、僕は全力で走った。何か見てはいけないものを見たような、そんな気がしたから。
その後施設に売られた僕は思わぬ形でその少年、シリルと望まぬ再会を果たした。僕に笑い掛けるその姿を見ると何故か心が痛むから、僕は一日の殆どを小さな部屋…白以外の色が存在しない奇妙な空間の中で過ごしていた。
施設を出た時には漸く自由を手にしたのだと、そう錯覚した。何かが始まると。
閉ざされた国、首に刻まれた呪縛。肉を削いでも浮かぶその数字はどんなに頑丈で重量のある鎖よりも強く僕の人生を縛り付けた。
そんな中、再び再会した彼は僕に笑顔を向けてくれた。その時、何度も何度も出会うシリルという人間はもう一人の自分だったのかもしれないと、そんな馬鹿げた事を思った。アイツも僕に平然とそんな事を言って笑うから、僕も釣られて笑った。
笑顔を浮かべたのは数年振りだった。
『……リオ、お前はもう、……』
シリルは全てを知っていたのかもしれない。最期に彼が浮かべた笑みを見て、そんな事を思った。
シリルは何を伝えようとしていたのか……と考えながらも、溢れ出る涙に少し戸惑い、それを隠すように空を見上げた。
思えばあの時見上げた夜空もこんな風に滲んでいた。あの時は一人ぼっちだったけれど。
滲む視界に映る少女は、心配そうに僕の顔を覗き込んでいた。
ああ、もう。これ以上何かと関わりを持って、挙句それを失うのは嫌なんだ。
『このまま死んでも、良かったのに……』
そう涙を滲ませながら口を動かしたリオは、その言葉が声になったのか……それすら分からずに、再びその瞳を閉じた。
(心情描写ばかりだらだらとスミマセン…!とりあえず過去の設定を曝け出しておいた方が今後何かと進めやすいかと、リオ視点でだらだら書かせていただきました!この先は再度気を失って運ばれた事にしても、そのまま意識を取り戻した事にしても構いませんので、進めやすい方でお願いします!)
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