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二次なりきり掲示板
- 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.235 )
- 日時: 2015/08/04 01:07
- 名前: JESSICA (ID: 3L0NyJ0C)
「……っ」
ロイの手に頭を撫でられるのは予想にしていなかったことだった。不意の事で思わず目線をあげそうになったが、寸前のところで動きを止める。子どものころからこういうことには慣れていない、ましてやこの歳でそんな事をされるとも思っていなかったため、戸惑いは隠せなかった。きっと自分は今間の抜けたような顔になっているのだろう。
ロイはよたよたと歩く自分の歩幅に合わせて歩いてくれている。実際このペースで歩いていけばかなり時間がかかるのは目に見えている。此処は付き合ってもらう訳にはいかないとロイの助けを借りずに自分一人ででも行くべきだろう。彼は今まで外に出ていたのだ、その疲れもたまっている。こうやって体調を崩したのも自分の管理ができていないためだ、いつまでも付き合わせるわけにはいかない。
どのようにして言えばロイはそれを容認してくれるだろうか。歩くペースを出来るだけ上げようと努力しながら少ない語彙力の中から必死にその言葉を探していた時、ふと支えられていた力がなくなり、思わずふらついた。
そして聞こえた短い単語の意味を、今ではすぐに理解できた。一瞬でかかった非難の声——といっても、弱々しいものではあったが——をあげるまえに、既に力をなくしていた体は膝から地面につき、顔を強打する前に腕が何とか冷気を帯びた床についていた。
選択肢に否定の言葉がなかったのは、きっとロイが、自分が否定する事を考えてやった事だろう。深々とため息をついたキリルは、仕方がないよな、と諦めに似た笑みを微かに浮かべていた。
「……ロイさんが、運びやすい方で良いですよ……」
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