二次なりきり掲示板
- Re: ( No.236 )
- 日時: 2015/08/04 06:34
- 名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: FGcintdM)
>>234
怠そうにベッドの上で胡坐をかいて座っていたリオは、ノック音が響く前にその気配の在る方向へと視線を向けた。大きく開け放たれた扉。その向こうから現れた少女を見てリオは驚いたように小さく目を見開いた。ただでさえ華奢なその身体は痩せ細っており、そのせいか肌の色も異常なまでに白く感じられた。
何処か儚い印象を与えるその少女は、躊躇いがちにリオを見て一度視線を落としてから静かに口を開く。
『気がついた?もう動けるくらいには元気なのね』
聞き覚えのあるその声に、リオは苦笑して視線を落とす。ああ、やっぱりこの子だったのか。こんなに小さくて頼りない人間の手によって僕は生かされたのか、と。
その容姿を見る限りでは到底信じられなかったが、確かに人一倍の度胸は秘めているようだ。あの執事長が先程の事を主に報告しない訳が無い。それを聞いた上でノックの返事も待たずに部屋の扉を開け、この空間に足を踏み入れ、更に躊躇いながらも自分から声を掛けて来たのだから。
僕が怖くないの?と、そう問い掛けてみようかと顔を上げたリオだったが、イヴと目が合った瞬間にその口を噤んでしまった。まさか、こんなにも真っ直ぐ見詰められているとは思っていなかったのだ。その身体を小さく震わせながらも再び口を開いたその少女から新たな問いが投げ掛けられる。すると、その声に反応するようにリオは一瞬全ての動きを止めた。明らかに動揺した様子で目を見開き、それから険しい表情を浮かべると、落ち着かなさそうに視線を泳がせる。
——……名前。僕の名前は何だっけ。ああ、そうだ、リオだ。けれど僕はもう、
「……リオだよ。リオ=シェルホーン……」
名乗る直前に咄嗟に顔を俯かせたリオは、その瞳を大きく見開いて床を見詰めたままベッドのシーツを強く握り締めて唇を噛み締めていた。リオが何かに対してここまで強い恐怖を抱いたのは初めてだった。失いたくない、そう思うモノなんて何も持っていなかった筈だった。
気付けば兄と同じ姓を名乗っていた。名前を尋ねてきた彼女に答えようと、そう思っての発言ではない。ただ、自分に言い聞かせるように。自分の中の叫びに応えるように。僕はまだ一人ではない、またシリルと再会する以前の僕に戻ってしまうなんて、そんなの。
「……っ、やっぱりあの時……終わってしまえば良かったんだ、」
それは微かな声だった。顔を歪ませながらその声を発した本人は口に出すつもりは無く、しかし抑え切れずに外に吐き出された悲痛な叫び。その声が少女の耳に届いてしまったのかは分からなかったが、イヴはもうリオの直ぐ近くまで歩み寄って来ていた。
(いえいえ!私もこういうパターンは初めてなので…!過去編もイヴさんの可愛さ全開で、ロイさん並みにセクハラを仕掛けたい衝動に駆られております…w)
総合掲示板
小説投稿掲示板
イラスト投稿掲示板
過去ログ倉庫
その他掲示板
スポンサード リンク