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二次なりきり掲示板
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.263 )
- 日時: 2015/09/28 21:20
- 名前: なたの (ID: XMOub5JC)
まだ一目の少ない早朝のアーケードをモニカは軽い足取りで歩いていた。その手には小さな体には少しばかり重そうな紙袋が抱えられている。中身はチーズとハムと林檎、それから焼きたてのフランスパンが丸々一本。
紙袋から飛び出たフランスパンの香ばしい香りがモニカの鼻を擽って、モニカは少しだけ足を早めてアーケードを抜けた。その先にある小さな公園まで辿り着くと木で作られたベンチにちょこんと腰掛け、赤いプリーツスカートから小降りの果物ナイフを取り出してフランスパンを厚めに切り取る。その上にハム、チーズを順番に切って載せてからモニカは丁寧に手を合わせるとそれを口に運んだ。
まだ暖かなフランスパンの上でチーズが少しだけ溶けて絶妙に美味しい。モニカは楽しそうに鼻歌を歌いながら、飛んできた鳩やスズメにフランスパンを細かく千切って投げてやる。
「そんなに取り合いしなくても、まだまだ沢山ありますよ」
鳥達に話しかけながらモニカは自分のご飯も食べる。これがモニカの朝の日課である。
この公園はモニカにとって思い出深い場所だった。いつか会いにくると約束してくれた人と歩いた思い出の場所で、その記憶を鮮明に残しておきたくてモニカは毎日ここで朝ごはんを食べる。もしかしたら彼がひょっこり現れるかも、なんて淡い期待も少しばかり含まれているけれど。
チラリと公園の入り口に目をやってもいるのはフランスパンに釣られてやってくる鳩や猫ぐらいのものだ。モニカは苦笑を漏らしてもう一度パンを放る。
「…いつ会いに来てくれるんでしょうね」
誰に話すでもなく、モニカはパンを頬張ったのだった。
(絡みお待ちしております)
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