二次なりきり掲示板
- Re: 【中文/再建】Seize the day【募集中】 ( No.282 )
- 日時: 2015/10/17 17:59
- 名前: ナタノ (ID: YkgECPwY)
>>275
美しい人だな、とモニカは思った。銀糸のような細く輝く銀髪も萌ゆる若草のような翡翠の瞳も、大人の女性らしさを醸している。これがいわゆるエレガントというものなのだろう。立ち居振る舞いはサバサバとしているのにその行動はどこかに気品が漂っているのだ。洗練された仕草やその物憂げな美貌、スラリと高い彼女の身長では街中で目立ってしまわないのだろうか。モニカくらい小さいと頭巾をかぶり顔をふせて歩けば瞳の色も髪の色もバレずに済むけれど。しかも彼女はシリアルナンバーを曝け出している。不便ではないのだろうか。それともその不便すら楽しむほど豪放磊落な性格をしているのだろうか。
胸が早鐘のように脈打つのを聞きながらサラの返答を待っていると、彼女は照れ臭そうに微笑んだ。はにかんだ顔は少しだけ幼くて可愛らしい。
「折角の誘いだもの、有り難くいただくわ。」
実はもうお腹ぺこぺこだったのよねぇと続けるサラにモニカは頬を綻ばせる。他人との食事はいつぶりだろうか。一人での食事はなんだか砂でも食べているようで味気ない。それをこんな美しい人と同伴できるとは、朝早くから外にでた甲斐があったというものである。早起きは三文の徳、なんて東国の言葉を思い出してモニカもサラの隣に腰を下ろした。
「お嫌いな物は御座いませんか?と言ってもハムとチーズくらいしか御座いませんけれど」
フランスパンを片手にモニカは尋ねた。何と無く好き嫌いはなさそうな気はするけれど、もし嫌いな物があったら申し訳ない。ピチピチと鳴く小鳥の声が公園にこだまするのを聞きながら、モニカはサラの返答を待った。
「誰かと食事を供するのは久しぶりなので、とても嬉しいです。しかもサラのような美しいご婦人とご一緒できるなんて、今日の運は使い切ってしまったやも知れませんね」
サラ、と呼んだ瞬間に胸が暖かくなる。あまり人と関わる事を許されないモニカには人と話すことは勿論、人を呼びつけにした経験などほとんど無い。もしかしたら敬称なしで人を呼ぶのは彼女が初めてかもしれなかった。仲が深まったように感じるその呼び方にモニカは一人で恍惚としていた。
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