二次なりきり掲示板

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.46 )
日時: 2015/05/19 04:49
名前: フレア (ID: w8qbVVkg)

>>43>>44>>45

研究室に向かう間に聞こえてきた爆発音に、セレーナは苦笑しか浮かべられなかった。
まだ全然研究者が集まっていない状況、設備も充実しているとは言いにくいと思う。その辺は研究者でないセレーナは全くもってわからないのだからあまり口が出せるわけではないことは重々承知しているのだが、状況を見ていればなんとなく察しがついていた。

カツンカツンとヒールの音を鳴らしながら、少し癖っ毛な髪をなびかせて早足で研究室に向かう。ドレスが足にまとわりついて動きにくい、そう呟けば一瞬だけ裾を切ってしまおうかなんて考えが脳裏をよぎった。___切れば兄に怒られるからすぐに脳内で危険信号を出したのだが___

「...っと、はいりますねぇ〜」

研究室の扉に手をかければ、一応そう言って開けた。ギギギッと音がしたのにはこの際目をつぶろう。そう思っていたが、さすがに中の景色を見ればそうも言っていられなくなる。一言で言えば悲惨だった、中の荒れ具合は。

研究者三名の顔を見れば、こんにちは〜と言って柔らかな笑みを浮かべる。いつでも、セレーナは兄以外の前では笑顔を心がけていた。それが姫としての自分の表情だとわかっているからだ。

「また失敗して爆発ですかぁ?」

何度目ですかねぇ、なんてつぶやきは飲み込んで、代わりに労わるようにお疲れ様です〜と声をかけた

Re: 【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.47 )
日時: 2015/05/19 08:26
名前: 寝退 ◆HyWhrnhVWU (ID: UsVfFHTT)
参照: ロイさんの扱い申し訳ない…w 素敵キャラに囲まれて本体歓喜です←

>>44-46

黙々とガラスの破片を拾い集めながら取り敢えず一箇所に集めてはいるものの、集めた破片をどうしようか……と行動し始めてから考えている自分に対し、考えるよりも先に行動してしまう悪い癖がまた出てしまったとアンネリーゼは深く溜息を付いた。
それと同時に突然現れた一人の研究員が片足を引き摺りながらもこちらに歩み寄り、顔を向けるどころか視線さえ向けようとせずにそのままゆっくりと屈み込む。

「あの、キリルさん……ですよね?」

すぐ隣に居る筈なのにまるで聞こえていないような素振りを見せるその人物は、そのままガラスを集め始める。アンネリーゼは少し驚いたように目を丸くしてキリルを見詰め、そして小さく微笑んだ。
研究員として施設に置いてもらえる事が決まったその日のうちに、アンネリーゼは研究員全員の顔と名前をその頭にしっかりと叩き込んでいた。見習いという身分の自分が立派な研究者の人達に対して粗相をする訳には行かないと、そう思っての事だったのだが……案外この施設にはマイペースで自己管理も出来ないような研究員も多くアンネリーゼは此処へ来てから暫くの間もやもやとした違和感を抱えていた。

「えっと、お気遣いありがとうございます。でも、手を怪我したら実験をする際に支障が出るかもしれませんし、その……」

そこで言葉を止めたアンネリーゼはちらりとその足を見遣る。目の前にいる彼は、あろうことか裸足のままでこの細かいガラスの欠片が散っている危険地帯に足を踏み入れてしまっているのだ。
その事について言及しようかとも思ったのだが、キリルの事はこれまでに数回程見掛けているものの今と全く同じ状態の彼しか目にしたことが無く、いつも裸足でふらりと現れてはいつの間にかその姿を消してしまう。
挨拶をしようと近付けば足早に去ってしまう彼は恐らく自分の領域に踏み込まれたくないのだろうと、アンネリーゼはそう思っていた。

そんな相手の習慣について口を出すべきではない。彼はこうして並んでガラスを拾い集めている今も「関わらないでくれ」とでも言いたげな様子で俯き、刺々しいオーラを放っている。

「とっ、とにかく、ここは私が引き受けますので、キリルさんはどうか自分のお仕事を……ひっ!」

何とかキリルに気分を害すことなくこの場から退いてもらおうと先程よりも少し大きな声を発したアンネリーゼだったが、再び途中で言葉を切り小さな悲鳴を上げると、酷く動揺した様子で体をビクッと跳ねさせた。

人の気配なんて感じなかったのに、と慌てて背後を振り返れば、頭の中に浮かんでいたその人物が自分を見下ろし満足気で下品な笑みを浮かべている。
おはよう、と自分に声を掛けるこの男は恐らく先程の爆発で目を覚ましたのだろう。この研究所には所謂変わり者と言えるような人間が多く、ロイもその内の一人ではあるのだが、他人と関わり合おうとしない研究員が多い中で自分を愛称で呼んでくれる彼には助けられている部分もある。しかし、会う度に繰り出されるこのセクハラ攻撃はアンネリーゼにとってどうにも許し難いものだ。

おはようございます、と挨拶を返して相手を睨み付けながら立ち上がり、文句の一つでも言ってやろうかと意気込んで口を開けば、そこから言葉を発する前に「まぁ待て」と制止されてしまった。
そのまま背を向けるロイ。呆気に取られてその場に突っ立っていたアンネリーゼに対して次に彼が取った行動は、素手で割れたガラスに触れていた彼女に箒を渡すという一見優しそうに見える行為。しかし「あとヨロシク〜」と呑気にその場を立ち去ろうとするロイに片付けを手伝う気は毛頭無いのだろう。

複雑な思いでその後ろ姿を見詰めるアンネリーゼだったが、ロイがキリルにスリッパを投げ渡してくれたことに対しては素直に感心していた。

ありがとうございます、と苦笑しながら深々とお辞儀をする。そして顔を上げると、遠ざかっていると思っていたその背中は先程と変わらない距離にあった。
不思議そうに目を見開いたアンネリーゼは、髭や髪を触り何やら不可解な行動を取るロイの後ろ姿をぼんやりと眺めていたが、不意に開かれた扉の方に目を向ければ、いつもよりぱっちりと開かれていた目を更に丸くこれでもかという程に大きく見開き、動揺を隠せない様子で無駄に声を張り上げる。


「せっ、セレーナ様!」

その体を硬直させて数秒固まっていたアンネリーゼは、突然ハッとした様子でロイを振り返り何やら一人険しい表情で頷く。

「こんな汚い人に……いや、汚い所に近付いては駄目です!セレーナ様が汚れてしまいます……!」

慌てて捲し立てるようにそう言うも、セレーナから投げ掛けられた問いにその表情は再び凍り付いてしまう。美しい笑みを浮かべているセレーナだが「また」失敗したのかとそう問い掛ける彼女は本当は自分たちに失望しているのではないか……と、いつも微笑みが絶えない筈のアンネリーゼの顔がみるみる青ざめていく。

「あの、これはその、申し訳ありません……!」

勢い良く頭を下げて謝罪の言葉を述べるアンネリーゼは強く目を瞑り、この状況に対して一体どう対処するべきかと、混乱する頭の中で的外れな自問自答を繰り返していた。

【中文 / 再建】Seize the day【募集中】 ( No.48 )
日時: 2015/05/19 19:49
名前: JESSICA (ID: qJIEpq4P)
参照: http://済みませんリハビリ中で……。上手く書けないです。

>>45-47

「……じゃぁ君はここを一人で処理できるんですか? アンネリーゼンさん」

 一人ガラスの破片を拾いながら何かとぶつぶつため息をついているアンネリーゼを置いて行けというのは無理な話だった。ついいつもの調子で皮肉をこめた声色を不満そうに吐きながら、表情を険しくしている中で元々からネコ目であるキリルの目は鋭くなっていた。

 それにこれはおそらく彼女の失敗ではないだろう。ちょうど彼女がこの部屋に入っていく姿を見ていたためにそれを確信していた彼は、遠目といえども新人ということで噂になっていたアンネリーゼを少しは気にしており、その性格を言動などで察していた。

 新人にこんなことをさせるのがこの研究所の人間だったのか。微かな苛立ちが沸き起こり、それが顔や態度に出てしまっているのも加えて、彼の態度は刺を増していた。

「……それに、この歳になってガラスで手を切ったりなんかしませんよ、子どもじゃあるまいし」

 目の前に垂れてくる髪を掻きあげながら、ぶつぶつとそんなことを呟く。自分は、アンネリーゼの今までの自分に対する行動を無碍にしてしまっている。遠くから声をかけられたがその時も逃げるように立ち去ってしまっていた。しかし、その中でキリルのことを心配してくれるアンネリーゼの言葉が彼にとってはむず痒い。女性慣れしていないこともあり、彼はアンネリーゼの小さな微笑から自分の名前を呼ぶ声、しぐさなどにいちいち顔を赤くしてしまっており、それを見せないためにもっと深く俯いてしまう始末で、口元でこぼれてくる言葉はアンネリーゼに届いてはいないだろう。

 しかし、やはりこんなところに素足で入ってきたのはあまりにも安易な考えだったらしい。このままではこの場を動くこともできそうにないだろう、次にどのように行動するべきかと一瞬手元の動きを止めた時だった。

 後ろに気配がしたと思った瞬間には遅く、男は普段感じることのがないだろう部分に何かが触った感触があった。とっさに立ち上がると目の前には悪戯を仕掛けて満足そうな子供のような笑みを口元に浮かべたロイがおり、唐突のことで自分の口から悲鳴が漏れなかったのに安心する。

「……俺は男なんですけど」

 やるんだったら若い女性にでもやっていてください、とぼそぼそと呟きながら赤面した顔を懸命に隠す。ロイはこの研究所の中でもキリルが尊敬する人物で、普段のやる気の無さの中でよく自分の仕事をこなしていると日ごろから感心していた。そんな相手に強い物言いができる訳もなく、ふと指先に熱い感覚が広がり、見てみると小さなガラスの破片が指先に刺さり、血が流れだしていた。

 思わず舌打ちが漏れるがこれをアンネリーゼやロイに悟られないようにととりあえず指先を伝っている血をなめとり、手を背後に回す。此処にロイが来てくれたことが何よりの幸いで、彼もアンネリーゼ一人に此処の片づけをさせるような人ではないだろうと淡い期待を抱く。ロイが投げてくれたスリッパを驚いて眺めるが、ありがとうございます、と辛うじて相手が聞こえるであろう音量の言葉を投げかけると、スリッパを履いて気配を消し、その場を後にしようとした。

 しかしそれはアンネリーゼの驚きの声に阻止されてしまう。その名前を聞けばこの研究所に所属している人間は振り返らざるを得ないだろう。

 セレーナの穏やかな微笑とその言葉にアンネリーゼはあたふたとしている様子であった。この失敗は彼女には関係はないんだがな、と頭の隅で思いながらどうやら彼女はロイのことも気にしているらしいと思わず苦笑を洩らす。とりあえず何か言われたとしてもアンネリーゼの弁護には役に立つかもしれないと、仕方なくセレーナに背を向けていた体制を整え、後ろに腕を組んだ状態でその場に居座ることにした。