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>>276
「「あーっ！」」

　二人揃って声を上げ、そのまま強く地面を蹴りだし、見た目にそぐわない力で手を振りほどく。

　少し距離をとった双子は、むっとした様子で睨みつけていた。

「返してよーそれ！」
「かえしてかえしてー！」

>>277
「……っ」

　一瞬の動きに何とか反応し、後ろへと飛び退る。

　やはりそうだ、と自分の中でそう言いきかえながら相手を睨む。やはりこいつは信じてはならない奴だ。優しいあの人たちだから、信じてたただの狂人だ。

「……言われなくてもそう伝えてある。勘違いするな、って皆にそう言った。……どうせあんたの正体は自分の欲望のままに暴れる蛇だって」