二次なりきり掲示板

Re: 【指名制】妖恋歌【NL.BL/募集中】 ( No.103 )
日時: 2015/08/10 17:44
名前: 紺野 (ID: ztRXnpN9)
参照: 宮里くんには苦手意識抱いてそうな凪子…

>>99

インターホンを通しても深刻さを含んだ声色に胸中の不安が膨れ上がって、無意識に身を固くする。やはり、そう簡単には許してくれないのだろうか。それもそうか、有名なバンドみたいだし……こんな奴のせいで評判を落としたともなればタダじゃ済まないことはわかっていた。ああ、次の声が怖い。責任とれ、とか言われるかな、どうしよう……。
こう気持ちが追い詰められると思考が悪い方にしかいかなくなって堂々巡りになってしまう。わたしの悪い癖だ。ため息の一つでも吐きたいけれど、インターホンのモニターで見られている以上そんなことは出来ない。と、その時、耳元で自分を気遣う声が響く。手を痛めない程度に加減をして握り返してくれたことといい、優しさが身にしみるようだった。

「…ありがとう。でもまだ、大丈夫だから。そもそもわたしの問題なんだし、終くんに頼ってばかりじゃだめだと思うし」

満面の笑みとはいかず弱々しい笑みを浮かべることとなったが、最大限感謝を込めて、小さく返事をした。



「………名前、ですか?」

終くんのおかげで幾分か落ち着いた時、インターホンのスピーカーから再び声が聞こえ、また少し鼓動が早くなる。…しかし、なんだろう。この言葉、前にもどこかで聞いたことがするのだ。

______

『一応聞くけど、そこにいる人に、君にもどんな曲が好きか聞こうと思うんだけどさ って、そこにいる人とか君って失礼だから君の名前教えてくれない?僕は--』

『へっ…?! あ、あの、え…と、わたし…ですか?……わたし、は』

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「……蕪城、凪子です。あの、インターホン越しでお話し続けるのもあれですし、一度出てきて頂けるとこちらも話しやすいのですけれど」

合点がいった気がした。まだ確信を持てたわけではないけど、この人を試すような意地の悪い物言いには覚えがある。というか、ありすぎて頭が痛いレベルで。そう思うと緊張もかなり解れて、口が上手く回るようになってくる。とりあえず、お詫びをする前にインターホンの主を引きずり出すことが先決だ。いつの間にか、疑惑は確信に変わっていた。